ドイツへレンタル移籍した浅野はアーセナルに戻って来られるか!?

カテゴリ:海外日本人

松澤浩三

2016年08月29日

レンタル移籍を繰り返しながら、アーセナルを去った者は多い。

高卒で名門クラブ入りを果たして注目を集めた宮市だが、4度のレンタル移籍を重ねて契約解除。2015年にザンパクト・パウリへ完全移籍を果たした。 (C) Getty Images

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 浅野の活躍には、大いに期待したい。
 
 だが、その一方で、これまでにも、憧れのアーセナルへやって来たものの、レンタル移籍を繰り返し、最終的に潜在能力を発揮できずにクラブを去って行った選手が数多くいたことを思い出す。
 
 そのことを考えると、浅野にはどのような将来が待っているのか……、危惧してしまう気持ちも出てくる。
 
 最も印象深いのは、宮市亮のケースだ。中京大学付属中京高校を卒業後、プロ経験なしでイングランドの名門に加入した18歳の逸材は、今回の浅野同様、英国の就労ビザが下りなかったため、オランダのフェイエノールトにレンタル移籍をすることとなった。
 
 ここでの4か月は充実したものだった。しかし、翌シーズンには特別措置で就労ビザを得るも怪我にも泣かされ、その後はレンタル移籍を繰り返すことになる。
 
 移籍先のボルトンやウィガンでは怪我で実力を発揮できず、アーセナル在籍最終年に送り出されたトヴェンテでは低調なパフォーマンスが目立ち、この頃になると完全に自信を喪失していた。現在は、奇遇にもブンデスリーガ2部のザンクト・パウリに所属している。
 
 メキシコ人のカルロス・ベラも、期待されながら北ロンドンのクラブで実力を開花させることなく去った選手である。
 
 アーセナルは2005年に当時16歳のベラを獲得したが、就労ビザが下りず、彼は翌1月からスペインのセルタ、8月からは同国2部のサラマンカに所属し、さらに翌年夏には再び1部のオサスナでプレーして研鑽を積んだ。
 
 最終的に就労ビザを手にしたのは、2年半後の2008年5月。しかしその後、3シーズン過ごしたアーセナルで先発したのは19試合のみだった。
 
 怪我もあって、ロビン・ファン・ペルシというエースの牙城を崩せず、レアル・ソシエダへとレンタル移籍し、その翌シーズンには完全移籍を果たした。以来、このチームでは欠かせない主力として活躍している。
 
 当時26歳で即戦力として期待された韓国代表のパク・チュヨンも、在籍中はセルタとワトフォードにレンタルで放出され、アーセナルでのリーグ戦通算出場は1試合のみだった。
 
 英国内や欧州内からの選手でも、レンタル移籍を繰り返したうえに、結果的にアーセナルのスカッドの分厚い壁を破れずにクラブを去った者は数多い。
 
 最近でいえば、エマヌエル・フリンポン、ジェイ・エマヌエル=トーマス、ベニク・アフォベ。いずれも、ユース時代にはアーセナルの将来を背負う選手と期待されていた。
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