“主力組”清武がスーパーカップで得た収穫とリーガへの課題とは?

カテゴリ:ワールド

工藤拓

2016年08月19日

「俺が決めないとやばいという衝動に駆られていた」ドイツ時代。

いきなりマドリー、バルサとの対決を経験。ステップアップを目指して移籍を敢行した清武の歩みは、ここまで順調である。次の目標は、攻撃面での貢献度を高めることだ。 (C) REUTERS/AFLO

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 一方、バルサ戦では0-1で迎えた55分にエスクデロが負傷すると、3枚に減ったDFラインはそのままに、4-3-3から3-4-3にシステムを変更。あくまでも敵陣でのプレッシングと中盤でのポゼッション勝負に拘ったサンパオリは、やはり清武を90分間ピッチに残した。
 
 ボール支配を大前提とするプレースタイルを掲げるサンパオリにとって、ボールを失わず、確実に繋げる清武は、中盤のポゼッション維持に寄与する重要な存在となりつつある。
 
 その一方で、昨シーズン、ハノーファーでの彼の活躍を見ていたファンにとっては、無難にパスを繋いでばかりの現在のプレーは、物足りなさを感じさせるかもしれない。もちろん、その点は本人も自覚している。
 
「ある程度は、手応えがあります。あとは、ドイツでやっていたようにゴールに繋がるプレーをしたいです」
 
「ハノーファーやニュルンベルクの時は、俺が点を決めたり、アシストしたりしないとやばい、という衝動に駆られていました。でも、このチームはみんな上手いし、ボールを持てる。そういうサッカーに慣れていきたいですね。どこで隙を見つけ、一瞬でやるか、という感じで」
 
 そう語っていたマドリー戦では、まだペナルティーエリア付近でのプレーが何度か見られたが、バルサ戦ではチャンスメイクに絡むプレーがほとんど見られなかった。
 
 右FWでスタートしたマドリー戦とは違い、バルサ戦ではインサイドMFでプレーしたことで、攻守のバランスを意識したポジショニングを取らざるを得なかった部分もあるだろう。
 
 だが、チームとしてゴール前での崩しのアイデアが見えていない現状、もう少し高い位置でボールを受け、仕掛けのプレーに絡む回数を増やしたい気持ちも強いようだ。
 
 とはいえ、この2試合で対戦したのは、あのマドリーとバルサであり、いきなり全てが思い通りにいかないのも当然である。ケガで出遅れたにもかかわらず、短期間のうちに先発を勝ち取れただけでも、上々のスタートだと言うべきだろう。
 
 今後の課題は、確実に繋ぐプレーをベースに、よりゴールに近い位置でチャンスメイクに絡む機会を増やしていくこと。それは、本人もよく分かっている。
 
「ペナルティーエリアの前くらいではリスクを冒していいと思うんですけど、そこでボールが入ってくる回数がまだ少ない。そのあたりを話し合いながらやれればいいかなと思います」
 
 次戦は20日、ホームにエスパニョールを迎えるリーガ・エスパニョーラ開幕戦。2強との対戦に比べ、攻め上がる機会は確実に増えるだけに、よりリスクを冒した積極的なプレーが見られることを期待したい。
 
文:工藤 拓
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