“主力組”清武がスーパーカップで得た収穫とリーガへの課題とは?

カテゴリ:ワールド

工藤拓

2016年08月19日

試合前の練習で「俺だけ全然できてなかったのでやばいな…」

初の公式戦となったマドリー戦で、いきなり120分間フル出場。相手に寄せられながらもスムーズなボール捌きを披露した。 (C) Getty Images

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 セビージャが挑んだ、怒涛の3連戦が終わった。
 
 結果は全敗。レアル・マドリーとのUEFAスーパーカップは善戦しながら2-3で競り負け、バルセロナとのスペイン・スーパーカップはホームで0-2、アウェーで0-3と、ともに完封負けに終わった。
 
 その間、新加入の清武はマドリー戦で延長戦を含めたフル出場デビューを飾ると、中4日で臨んだバルセロナとのファーストレグでも、再び先発フル出場を果たした。
 
 カンプ・ノウでのセカンドレグでは出番なし。中2日で迎えたこの試合で、サンパオリ監督は大胆なローテーションを敢行し、清武は同じく2戦連続で先発していたエヌゾンジ、バスケス、ビエット、ビトーロらとともに、週末のリーグ開幕戦に向けてベンチに温存されたかたちだ。
 
 つまり清武は、主力組のひとりとしてスペインの2大メガクラブと戦ったわけだが、これは良い意味でサプライズだった。
 
 第一に彼は、プレシーズンの始動から一週間足らずで怪我に見舞われ、プレシーズンマッチの6試合中5試合を欠場している。
 
 しかも、まだスペイン語をほとんど理解できず、通訳も付けずに練習しているため、試合前の戦術練習では色々と苦労があったという。
 
「(マドリー戦の)3日前くらいから、フォーメーションの感じで(先発で)出られるかなと思っていました。だけど、練習で最後の詰めをやる時に、セットプレーとかで言葉が分からず、色々ミスしまくっていて……。俺だけ全然できてなかったので、やばいなと思っていました」
 
 マドリー戦直後、本人は戦前の状況をこのように振り返っている。監督からすれば、そのような選手を先発起用することには大きなリスクが伴ったはずだ。ましてや舞台は、世界的強豪を相手にした、ミスが許されない一発勝負のタイトルマッチである。
 
 しかし、蓋を開けてみれば、清武がコンディショニングの遅れや意思疎通の欠如を感じさせることはなかった。
 
 むしろ、ミスなく確実にボールを繋ぐという点でプレーの精度が非常に高く、ボールを失わず、ポゼッションを通したゲームコントロールを目指すサンパオリの意思を、忠実に実行していた印象すらあった。
 
 コノプリャンカのPKで2-1と勝ち越して間もなく、サンパオリは最後の交代枠でボランチのクラネビッテルを投入したが、その際に下げたのは、清武より守備力の高いボランチのイボーラだった。
 
 それは、引いて守るのではなく、ボールを保持することでリードを保つのだという、指揮官のメッセージだった。
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