大久保の偉業を阻むのは、この男しかいない!ピーター・ウタカが示す"途轍もない"可能性

カテゴリ:Jリーグ

中野和也

2016年05月29日

2トップを操るトップ下での起用も「オプションとして十分に使える」(森保監督)

周囲とのコンビネーションが今以上に噛み合えば、点を取らせる仕事も増えてくるだろう。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

画像を見る

 それでも前半には岩下のミスをついて決定機を作り出し、後半も狭いスペースでスルーパスを通して柴崎をゴール前に走らせ、アディショナルタイムにはゴールも決めた。実力相応の厳しいマークの中でもチャンスを作り、得点を決める力を彼は持っている。
 
 ただ、一方で課題も露呈している。
 
「彼の攻撃力を生かすためのコンビネーションをもっと向上させなければ」
 
 森保一監督の言葉どおり、P・ウタカと周囲の関係性はまだ発展途上だ。シャドーとの距離感は適切とはいえず、彼は孤立しがちである。
 
「ウタはスルーパスも上手いので、動き出しを意識している」と柴崎晃誠は語っているが、まだ「ピシャリ」というタイミングをつかみきれてはいない。
 
 時間が解決する問題ではあろう。ただ、P・ウタカだけが突出して点をとっている現状をできるだけ早く打破しないと、浮上もできない。森保監督はG大阪戦で、打開のためのアイディアを示した。皆川佑介と佐藤寿人の2トップにP・ウタカがトップ下という形である。
 
 実際、ゴールはニアに飛び出した佐藤の動きに2列目のP・ウタカが連動して生まれたもので、森保監督も「オプションとして十分に使える」。P・ウタカのシャドーには「守備」というハードルもあるが、佐藤寿人・浅野拓磨・皆川佑介らとの共存によって爆発力増幅の可能性も見いだした。
 
「現状には満足していない」と自身が言うように、彼の本質はこんなレベルではない。P・ウタカのパワーが本当の意味でチームプレーと連動を始めた時、広島の攻撃力は途轍もないものとなる。今はまだ、その日のためのプロローグにすぎない。
 
文:中野和也(サンフレッチェ広島オフィシャルマガジン「紫熊倶楽部」編集長)
 
【関連記事】
【日本代表】ハリルが“大久保復帰”を仄めかす。大島の初招集はその布石か?
ハリルが求めるボランチ像。長谷部が重宝されて、柴崎が未招集の理由
ハリルは才能重視? 宇佐美、浅野の招集に見るアタッカーの選定条件
【J1展望】福岡×広島|波に乗り切れない両者。堅守をこじ開け、ゴールを奪うのは?
小林祐が3戦連続ゴール中。柏木、遠藤も好調を維持――日本代表戦士の近況|国内組編
長野のエースから「なでしこのエース」へ。得点王を独走する横山久美がクリアすべき課題

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 唯一無二の決定版!
    2月15日発売
    2024 J1&J2&J3
    選手名鑑
    60クラブを完全網羅!
    データ満載のNo.1名鑑
    詳細はこちら

  • 週刊サッカーダイジェスト いざW杯予選へ!
    3月8日発売
    元代表戦士、識者らと考える
    日本代表の現在地と未来
    2026年へのポイントは?
    J1&J2全クラブ戦力値チェックも
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 夏の移籍を先取り調査!
    3月21日発売
    大シャッフルの予感
    SUMMER TRANSFER
    夏の移籍丸わかり
    完全攻略本2024
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ