U-19日本代表が水原JS杯で最下位。フランス、ブラジル、韓国相手に露呈した弱さとは?

カテゴリ:日本代表

安藤隆人

2016年05月25日

結果を出さなければ『良い経験』だったとは言えない。

鹿島の垣田が突破を図る。最終戦の韓国戦では、相手のしぶとい守りを崩しきれず、逆にカウンターから決勝点を献上してしまった。写真:安藤隆人

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 第2戦のブラジル戦ではこの反省を踏まえ、2点を先行できたが、後半開始早々の48分に自陣のFKからバックパスをかっさらわれ、自滅の形で1点を返されてしまう。軽率と言われても仕方がないミスで、相手につけ入る隙を与える追撃ゴールを許した。
 
 これには内山監督も、「FKからあんな同サイドのバックパスはあり得ない。後半立ち上がりでボールを大事にしようとする意識がマイナスに働いた」と苦言を呈した。ブラジルはハーフタイムに一気に5人を入れ替え、「さあ行くぞと分かりやすいエンジンをかけてきたにもかかわらず、みすみす相手にチャンスを与えるのは論外」と内山監督が嘆いたように、相手をさらに勢いづかせてしまった。その後、2-2の同点に追いつかれるのは必然の流れだった。
 
 これで1分け1敗。最終戦の韓国戦は『勝つしかない』という状況になった。そうなると、よりアグレッシブに戦わないといけない。しかも、相手の韓国は引き分け以上で優勝が決まるだけに、堅い試合運びをして来ると予想された。いかにイニシアチブを握って、縦への意識を高く崩しに掛かれるか。
 
 だが、日本は横パスを多用し、一発でのサイドチェンジや、相手のDFラインの裏を突くミドル、ロングパスも少なく、局面の打開はMF堂安律と遠藤渓太の単独ドリブルに頼らざるを得ない状況で、当然攻撃は単発に終わり、ペナルティエリア内から放ったシュートはゼロ。逆に韓国のカウンターを浴び失点を喫して0-1で敗れた。
 
 相手のレベルが上がれば上がるほど、『やってはいけない』致命的なミスを犯してしまう危険性は上がる。当たり前のことだが、それは起こるべくして起こる。こうした経験ができたことが今大会の収穫であり、参加した意義でもあるだろう。
 
 だが、いつまでも「良い経験だった」の言葉で片付けてはいけない。今回参加した全員が、「なぜこうなったのか」「こうならないためにはどうすべきか」をもう一度真剣に考え、個人としてもチームとしても、しっかりとインプットしていかなければ、必ずまた同じことを繰り返してしまうだろう。
 
「良い経験だった」と言えるのは、インプットしたことをアウトプットした時。つまりはU-19アジア選手権、U-20ワールドカップで結果を出してこそ言えるということを忘れてはならない。
 
取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)
 
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