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ミラン番記者の現地発・本田圭佑「リトル・ホンダが薦めたクラブとはいえ、さすがに愛想を尽かしても不思議はない」

カテゴリ:連載・コラム

マルコ・パソット

2016年05月18日

本田やアバーテの喝は静まり返った海に小石を投げ込むようなものだった……。

ミランの場当たり的なチーム作りのいわば犠牲者となったエル・シャーラウィ。ミラン対ローマ戦では敵ながらもサン・シーロの観客から拍手が贈られた。写真:Alberto LINGRIA

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 今シーズンのミランに最後に残されたのは、5月21日のコッパ・イタリア決勝だ。しかし、セリエA5連覇を成し遂げた最強ユベントスに今のミランが勝利し、ヨーロッパリーグ出場権を勝ち取るという願望は、もはやただの出来の悪い冗談にしか聞こえない。
 
 サッカーというスポーツの素晴らしいところは、どんなことも起こりうることだ。大方の予想とは異なる展開・結果は世界中のスタジアムで起こってきた。しかし、今のミランがユーベを叩く姿は、どうしても想像できない。
 
 先のローマ戦での戦いぶりを見てからは、その思いはより一層強くなった。ミランには何よりも勝利に向けた気迫が絶対的に欠けていた。チームとしても個としてもクオリティーで劣りながら、全力で走ろうとも、敵と激しくぶつかり合うこともなく、さらに試合の主導権を取ろう、責任あるプレーをしようとする選手も皆無だった。
 
 ブロッキは試合後の会見で、個々の具体的なプレーについて語るのではなく、「まず何より選手のメンタルをどうにかしなければならない」とコメントした。ベルルスコーニの大好きな4-3-1-2はやはり機能しないだの、中盤にクオリティーが欠けるだのテクニカル/戦術的な欠陥以前の問題だ。
 
 ミラニスタの怒りはもはや沸点に達している。そして、ローマ戦ではシーズンチケット不買と並ぶ大きな主張である抗議に出た。とりわけ標的になったのが強化責任者であるガッリアーニで、熱狂的サポーターが陣取るクルバ・スッドからは罵詈雑言が飛び交っていた。
 
 サン・シーロの半分は、ローマにレンタル中のステファン・エル・シャーラウィのゴールに拍手を送っていた。ベルルスコーニが4-3-1-2にこだわるあまり、このヤングスターがもっとも得意なウイングが消滅し、チーム屈指のタレントながら追われるように昨夏にミランを去ったエル・シャーラウィは、ミランのメルカートにおける長年の失敗の象徴のように捉えられていたのだ。
 
 また、サポーターは選手のリアクションがほとんどないことにも、大きなショックを受けていた。今の選手たちはミラン愛が決定的に欠けているし、チームに喝を入れようとTVカメラの前でほんの数分すら語ろうともしない。もちろん、ミラン首脳陣はそんなことを望んでいないだろうが……。
 
 今のミランには、本当ならショック療法が必要なのだ。昨年10月に本田がチャレンジし、その後にはイニャツィオ・アバーテやクリスティアン・アッビアーティも試みたが、結局は静まり返った海に向かって小石を投げ込むようなものだった。誰一人として、その喝によって一念発起しようとしなかったのだ。
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