「ビッグクラブ移籍でも、立ち位置は『サブ』だろう」(ノースクロフト記者/『サンデー・タイムズ』紙)
「ビッグクラブ移籍でも、立ち位置は『サブ』だろう」
(ノースクロフト記者/『サンデー・タイムズ』紙)
間違いなく岡崎は、今季のレスターの大躍進を支えたキーパーソンだ。
私が注目したのは、サッカーIQの高さ。特に守備時におけるボールホルダーへのチェイシング、そのタイミングが秀逸で、彼を中心にしたプレスはレスターの大きな武器だった。
しかも、エネルギッシュに動き回ってはいるが、頭の中は常に冷静。巧みに相手をサイドへと追い込むだけでなく、チャンスと判断すれば、猛然と寄せてマイボールにする。そして、そこからレスターが得意とする高速カウンターへつなげるのだ。
前線でコンビを組むヴァーディーとの補完性も高く、彼がインテリジェンスに溢れた選手であることは、プレーを見てすぐに分かった。
そして、ニューカッスル戦でのオーバーヘッドによるゴール。あれはレスターファンのみならず、イングランドのサッカーファンの間でも長く語り継がれるであろう「ビューティフル・ゴール」だった。
あの試合はウィークデー(月曜日)に唯一開催された。つまり英国中の注目を集めた試合で、岡崎は豪快にネットを揺らしたことになる。「OKAZAKI」の名を広く知らしめるには、十分過ぎる一撃であっただろう。
彼の最大の魅力はやはり、ワークレート(仕事量、仕事率)と頭の良さにある。そこに目をつけたビッグクラブが獲得に動く可能性はゼロではないが、しかし仮に実現したとしても、立ち位置は「サブ」だろう。
理由は極めてシンプル。ビッグクラブのFWとしてプレーするには、ゴールやアシストなど得点に直結する働きが少ないからだ。
34節終了時で5ゴールという成績は正直、物足りない。たとえハードワークや献身性、利他性を備えていたとしてもだ。
今、多くのビッグクラブが実践しているポゼッションサッカーで、岡崎の持ち味は活きにくいように思う。激しいプレスや豊富な運動量を武器とする彼のプレースタイルは、レスターのようなカウンターサッカーにこそ適しているはずだ。
文:ジョナサン・ノースクロフト(サンデー・タイムズ/リバプール&エバートン番記者)
PROFILE 高級紙『サンデー・タイムズ』のエース記者。分析記事やインタビューを中心に執筆し、『BBC』や『スカイ・スポーツ』などサッカー番組にも多数出演。02年のワールドカップで訪れた日本をこよなく愛す。
取材・翻訳・構成:田嶋コウスケ(フリーライター)
(ノースクロフト記者/『サンデー・タイムズ』紙)
間違いなく岡崎は、今季のレスターの大躍進を支えたキーパーソンだ。
私が注目したのは、サッカーIQの高さ。特に守備時におけるボールホルダーへのチェイシング、そのタイミングが秀逸で、彼を中心にしたプレスはレスターの大きな武器だった。
しかも、エネルギッシュに動き回ってはいるが、頭の中は常に冷静。巧みに相手をサイドへと追い込むだけでなく、チャンスと判断すれば、猛然と寄せてマイボールにする。そして、そこからレスターが得意とする高速カウンターへつなげるのだ。
前線でコンビを組むヴァーディーとの補完性も高く、彼がインテリジェンスに溢れた選手であることは、プレーを見てすぐに分かった。
そして、ニューカッスル戦でのオーバーヘッドによるゴール。あれはレスターファンのみならず、イングランドのサッカーファンの間でも長く語り継がれるであろう「ビューティフル・ゴール」だった。
あの試合はウィークデー(月曜日)に唯一開催された。つまり英国中の注目を集めた試合で、岡崎は豪快にネットを揺らしたことになる。「OKAZAKI」の名を広く知らしめるには、十分過ぎる一撃であっただろう。
彼の最大の魅力はやはり、ワークレート(仕事量、仕事率)と頭の良さにある。そこに目をつけたビッグクラブが獲得に動く可能性はゼロではないが、しかし仮に実現したとしても、立ち位置は「サブ」だろう。
理由は極めてシンプル。ビッグクラブのFWとしてプレーするには、ゴールやアシストなど得点に直結する働きが少ないからだ。
34節終了時で5ゴールという成績は正直、物足りない。たとえハードワークや献身性、利他性を備えていたとしてもだ。
今、多くのビッグクラブが実践しているポゼッションサッカーで、岡崎の持ち味は活きにくいように思う。激しいプレスや豊富な運動量を武器とする彼のプレースタイルは、レスターのようなカウンターサッカーにこそ適しているはずだ。
文:ジョナサン・ノースクロフト(サンデー・タイムズ/リバプール&エバートン番記者)
PROFILE 高級紙『サンデー・タイムズ』のエース記者。分析記事やインタビューを中心に執筆し、『BBC』や『スカイ・スポーツ』などサッカー番組にも多数出演。02年のワールドカップで訪れた日本をこよなく愛す。
取材・翻訳・構成:田嶋コウスケ(フリーライター)