【セルジオ越後の天国と地獄】同じ日本人として、岡崎慎司の活躍を誇りに思うべきだ

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェスト編集部

2016年05月08日

“得点源の岡崎”というより、“献身的な守備の岡崎”でチームを助けていた。

今季のレスターには、与えられた役割を全うするようなタイプが揃い、そこに岡崎のプレースタイルが上手くハマった形だ。(C)Getty Images

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 5月2日、2位のトッテナムがチェルシーと引き分け、1日に試合を終えていたレスターの優勝が決まった。大手ブックメーカーの優勝オッズによると、レスターのそれは約5000倍。幻の生物『ネッシー』の発見が約500倍なのだから、どれだけ“あり得ないことが起きた”か、よく分かるはずだ。
 
 クラブ創設132年目にして訪れた歓喜の瞬間であり、まさに100年に一度の快挙。とあるスモールクラブが、誰も想像しなかった夢物語を現実のものにした。
 
 だからこそ美しく、人々の心を一層惹き付けるのだ。『レスターが起こした132年目の奇跡』なんてタイトルで、映画になっても不思議はないよ。
 
 日本では岡崎をクローズアップする機会が多くなるだろうけど、一糸乱れぬチームの一体感があってこその優勝だった。さらに、レスターに追い風が吹いたのも大きい。
 
 たとえば今季、リーグ全体から名門の存在感が薄れ、マンチェスター・Cやチェルシーにしても簡単に勝点を取りこぼしていた。下馬評の高かった優勝候補が勝手に自滅し、いつの間にかタイトルレースから脱落していた印象だ。
 
 とにかくチームのコンセプトがぶれず、シーズンを通して自分たちの戦い方を貫いたのは称賛に値する。ボールを積極的に保持し、主導権を握るような色気は見せず、徹底して堅守速攻を貫徹した。
 
 メンバー構成もスタイルにぴったりと即したもの。もしスター選手が在籍していたらラニエリ監督と衝突し、あのサッカーは実現していなかったかもしれない。
 
 チームの象徴であるヴァーディーにしても、下部リーグから這い上がってきた。他の選手もハングリー精神に溢れ、与えられた役割を全うするようなタイプが揃った。そこに岡崎のプレースタイルが上手くハマった形だ。
 
 チーム総得点の内訳を見ても、大半がヴァーディーとマハレズから生まれた。全員で守り、両者のスピードとテクニックを駆使してゴールを奪うという、シンプルな考えだ。
 
 ポゼッション率はリーグ下位ながら、ボール奪取後の動きに迷いがなかったね。岡崎も自分の役割を理解し、“得点源の岡崎”というより、“献身的な守備の岡崎”でチームを助けていた。
 
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