後半アディショナルタイムにドラマを生み出した守護神の頭。
シャフタール・ドネツクとセビージャが過去に対峙したのは06-07シーズン。ELの前身であるUEFAカップのラウンド16でのことだった。
ディフェンディングチャンピオンとして出場していたセビージャに対し、シャフタールはチャンピオンズ・リーグのグループリーグでバレンシア、ローマの後塵を拝しての3位で、このカップ戦に移行してきた。
ラウンド32ではセビージャがステアウア・ブカレストを、シャフタールはナンシーを下して16強入り。ラウンド16では、第1レグをセビージャのホーム、ラモン・サンチェス・ピスファンで行なった。
この試合自体もかなりの劇的な内容であり、ホームチームが先制するも、シャフタールは60分までに2ゴールを奪って逆転する。セビージャは早くも大ピンチに陥ったが、試合終了2分前にエンツォ・マレスカのゴールで同点に追い付いた。
とはいえ、敵地で引き分け、アウェーゴールを2点も奪ったシャフタールのアドバンテージは非常に大きく、それが第2レグでのホームチームをさらに勢い付ける。
ともに積極的に攻め合う見応えのある一戦は49分にスコアが動いたが、マツザレムの先制弾はまさにスーパーゴール! 左サイドからのクロスを、ダイビングしながらヒールに引っかけてゴールに流し込んだのである。
これに対し、セビージャは再三右サイドからチャンスを作り、53分にはやはり右サイドからのクロスにマレスカが頭で合わせて追いつく。しかし、第1レグで2点を失っている彼らにとって、これではまだ足りなかった。
そんなセビージャを、さらに追い詰めるシャフタール。83分、相手DFラインの裏に抜け出したエラーノが独走し、GKアンドレス・パロップの守るゴールを破ったのである。
ホームの観客は準々決勝進出を確信し、シャフタールは時間が過ぎるのを待つ。そして時間がアディショナルタイムの3分に達した時、セビージャが右サイドでCKを得た。
最後のチャンスとなるであろうこのCKをハビ・ナバーロが蹴ると、これに頭で合わせたのは、攻め上がってきていたGKパロップ。ボールはサイドネットを揺らし、セビージャが土壇場で追い付いた。
この日、2点を失っていた守護神が自ら試合を振り出しに戻して、試合は延長戦に突入。勢い付いたセビージャはもちろん、シャフタールも気落ちすることなく、攻め続ける。
そして延長前半終了間際の105分、セビージャはルイス・ファビアーノのパスを受けたエルネスト・チェバントンがペナルティエリアに侵入。GKボグダン・シュストとポストのわずかな隙間を強烈に貫き、勝ち越しゴールを決めた。
ついに形勢逆転。ホームで3点目を奪われたシャフタールは、残り15分で2点を奪うべく奮闘したものの、試合巧者のセビージャを攻略することは二度と叶わなかった。
まさに地獄の淵からの生還を果たしたセビージャは、この後、2年連続の決勝進出を果たす。エスパニョールとの同国対決ではPK戦に突入し、ここではGKパロップが“本業”で魅せ(3本セーブ)、見事に連覇を果たした。
一方、これ以上ない悔しさを味わったシャフタールだが、その後もチーム力を上げ、2シーズン後には、ブレーメンを決勝で下して同カップを初制覇した。
今回、EL3連覇を目指すセビージャだが、王手をかけるためのシャフタール戦で、再び究極のドラマを見せてくれるだろうか。
ディフェンディングチャンピオンとして出場していたセビージャに対し、シャフタールはチャンピオンズ・リーグのグループリーグでバレンシア、ローマの後塵を拝しての3位で、このカップ戦に移行してきた。
ラウンド32ではセビージャがステアウア・ブカレストを、シャフタールはナンシーを下して16強入り。ラウンド16では、第1レグをセビージャのホーム、ラモン・サンチェス・ピスファンで行なった。
この試合自体もかなりの劇的な内容であり、ホームチームが先制するも、シャフタールは60分までに2ゴールを奪って逆転する。セビージャは早くも大ピンチに陥ったが、試合終了2分前にエンツォ・マレスカのゴールで同点に追い付いた。
とはいえ、敵地で引き分け、アウェーゴールを2点も奪ったシャフタールのアドバンテージは非常に大きく、それが第2レグでのホームチームをさらに勢い付ける。
ともに積極的に攻め合う見応えのある一戦は49分にスコアが動いたが、マツザレムの先制弾はまさにスーパーゴール! 左サイドからのクロスを、ダイビングしながらヒールに引っかけてゴールに流し込んだのである。
これに対し、セビージャは再三右サイドからチャンスを作り、53分にはやはり右サイドからのクロスにマレスカが頭で合わせて追いつく。しかし、第1レグで2点を失っている彼らにとって、これではまだ足りなかった。
そんなセビージャを、さらに追い詰めるシャフタール。83分、相手DFラインの裏に抜け出したエラーノが独走し、GKアンドレス・パロップの守るゴールを破ったのである。
ホームの観客は準々決勝進出を確信し、シャフタールは時間が過ぎるのを待つ。そして時間がアディショナルタイムの3分に達した時、セビージャが右サイドでCKを得た。
最後のチャンスとなるであろうこのCKをハビ・ナバーロが蹴ると、これに頭で合わせたのは、攻め上がってきていたGKパロップ。ボールはサイドネットを揺らし、セビージャが土壇場で追い付いた。
この日、2点を失っていた守護神が自ら試合を振り出しに戻して、試合は延長戦に突入。勢い付いたセビージャはもちろん、シャフタールも気落ちすることなく、攻め続ける。
そして延長前半終了間際の105分、セビージャはルイス・ファビアーノのパスを受けたエルネスト・チェバントンがペナルティエリアに侵入。GKボグダン・シュストとポストのわずかな隙間を強烈に貫き、勝ち越しゴールを決めた。
ついに形勢逆転。ホームで3点目を奪われたシャフタールは、残り15分で2点を奪うべく奮闘したものの、試合巧者のセビージャを攻略することは二度と叶わなかった。
まさに地獄の淵からの生還を果たしたセビージャは、この後、2年連続の決勝進出を果たす。エスパニョールとの同国対決ではPK戦に突入し、ここではGKパロップが“本業”で魅せ(3本セーブ)、見事に連覇を果たした。
一方、これ以上ない悔しさを味わったシャフタールだが、その後もチーム力を上げ、2シーズン後には、ブレーメンを決勝で下して同カップを初制覇した。
今回、EL3連覇を目指すセビージャだが、王手をかけるためのシャフタール戦で、再び究極のドラマを見せてくれるだろうか。

大部分の時間帯でシャフタールが優位に立っていたが、思わぬ結末が待っていた。写真は第1レグの逆転時。今回はどのような展開となるのか? 初対決となるビジャレアル対リバプール戦と併せて、非常に楽しみである。 (C) REUTERS/AFLO