A・マドリー vs バイエルン etc.……欧州カップ戦の準決勝カード、過去の究極のドラマを振り返る

カテゴリ:ワールド

サッカーダイジェストWeb編集部

2016年04月27日

劇的な30メートル超弾がバイエルンの黄金時代の幕を開いた。

ともに初の決勝戦で、明暗を大きく分けた。現在までにバイエルンは10度の決勝進出を果たして優勝は5回。一方、A・マドリーは2度の決勝進出で優勝はまだない。 (C) Getty Images

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 今シーズンの欧州カップ戦は、準決勝に突入。チャンピオンズ・リーグ(CL)、ヨーロッパリーグ(EL)のそれぞれの戦いに、世界中の熱い視線が注がれている。
 
 すでにマンチェスター・シティとレアル・マドリーの第1レグは終了したが(スコアレスドロー)、戦前の段階で各カードの通算対戦成績は以下の通り。
 
マンチェスター・C(1分け1敗)R・マドリー
アトレティコ・マドリー(1分け1敗)バイエルン
シャフタール・ドネツク(1分け1敗)セビージャ
ビジャレアル(対戦なし)リバプール
※成績は左側記載のチームから見たもの
 
 奇遇にも3カードで通算対戦成績は同じ。いずれも対戦回数は2試合のみということで、一度も対戦のないビジャレアル対リバプール戦を含め、非常に新鮮な戦いが今回は見られることになる。
 
 ちなみに第1レグを終えたばかりのマンチェスター・C(シティ)とマドリーが前回対戦したのは、2012-13シーズンのグループリーグで、初戦でマドリーに敗れたシティはその後、1勝もできず(3分け3敗)に最下位で2度目のCLを終えている。
 
 これに対し、他の2カードはいずれもノックアウトラウンドでの対戦。A・マドリー対バイエルンにいたっては、1973-74シーズンの決勝戦という最高の舞台での初対峙だった。
 
 各国のリーグ優勝チームと前シーズンの欧州王者だけが出場できたチャンピオンズ・カップの時代の話であり、当時は1回戦からトーナメント形式で戦い、4つの敵を倒して(試合はホーム&アウェーで計8試合)決勝戦に勝ち進んだ。
 
 それまで同カップでは好成績を残せていなかったバイエルンは、1回戦でいきなりスウェーデンのアトビダベリにPK戦の末に勝利と苦しむも、以降は72年に欧州王者となった西ドイツ代表選手たち、そしてアトビダベリから引き抜いたコニー・トルステンションらの活躍により、ファイナリストとなった。
 
 一方、A・マドリーは、王者アヤックス、リバプール、ベンフィカ、ユベントス、ナントといった強豪が早々に姿を消すなかで勝ち残ったが、準決勝のセルティック戦では3人の退場者を出すほどの荒っぽいプレーで(相手選手も負傷退場)、各方面から猛烈な非難を浴びることとなった。
 
 しかし、ベルギー・ブリュッセルのヘイゼル・スタジアム行なわれた決勝戦では、一転してA・マドリーは持ち前の堅守を軸としながら、組織的でインテリジェンスに溢れたプレーを見せ、有利といわれたバイエルンの調子を狂わせた。
 
 スコアレスのまま延長戦に入り、後半も残り6分となったところで、A・マドリーのFKが試合を動かす。決めたのはルイス・アラゴネス。後に監督としてA・マドリーやバルセロナでタイトルを獲得し、スペイン代表ではEURO2008を制したあの名将だ(2年前に逝去)。
 
 ちなみにこの時のA・マドリーには、やはり監督としてデポルティボに多くの栄光をもたらしたハビエル・イルレタ、そしてリバプール時代に欧州制覇に貢献した守護神ホセ・マヌエル・レイナの父、ミゲル(彼もGK)などがいた。
 
 終了間際の失点に、バイエルンの選手もなかば勝負を諦めていたが、時計の針が120度目の周回を終えた時、A・マドリーのゴールネットが揺れた。最終ラインから上がったバイエルンのDF、ハンス・ゲオルク・シュバルツェンベックが30メートルを超える距離からシュートを叩き込んだのだ。
 
 茫然自失となったA・マドリー。この一戦に全精力を注ぎ込んだ彼らに突きつけられたのは、2日後の再試合だった。当時はまだ、決勝戦でのPK戦決着というルールは存在しなかった。
 
 再試合。疲労困憊のA・マドリーに対し、バイエルンは2日前の一戦で沈黙し続けた攻撃陣が奮起。ウリ・ヘーネスがシュバルツェンベックの縦パスで抜け出して先制ゴールを決めたのを皮切りに、ゲルト・ミュラーが技巧的な2ゴールを決め、最後はヘーネスがトドメを刺した。
 
 再び熱戦が繰り広げられると期待した観客が拍子抜けしたバイエルンの圧勝劇。再試合を4-0で制して初の欧州王者となったバイエルンは、その後、3連覇を成し遂げることとなる。またこの一戦の後には、フランツ・ベッケンバウアー、ミュラーら6人が自国開催のワールドカップに出場し、世界王者となった。
 
 一方、最後の最後で栄光を取り逃がしたA・マドリー。彼らはここから40年後にも、ポルトガル・リスボンで、宿敵マドリー相手に同じ悲劇――先制するも後半アディショナルタイムに追いつかれて延長戦で1-4の敗北――を味わう羽目となった。

【写真回想】バイエルン5度の欧州制覇 + 決勝戦での5度の敗北​

【写真回想】サン・シーロでの欧州カップ決勝(1965~2001)

バイエルンを救ったシュバルツェンベック。直後のW杯にも出場し、ベッケンバウアーとともに最後尾で奮闘し、自国優勝に大きく貢献した。 (C) Getty Images

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