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【浦和】首位攻防の舞台裏、阿部勇樹が明かす『中村憲剛-大久保嘉人』ホットラインをどのように寸断させたのか?

カテゴリ:Jリーグ

塚越 始(サッカーダイジェスト)

2016年04月25日

「どちらかというと、前との距離。そこが開きすぎないようにしたかった」

阿部と中村が競り合う。Jリーグを代表するボランチ同士のマッチアップは見応えがあった。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 阿部の存在感は随所で光った。
 
 42分には登里へのタックルで警告を受ける。しかし、悔しがったのは、イエローカードを“出させた”登里のほうだった。絶好のチャンスになる一歩手前でプレーを止められ、ガックリとうな垂れていた。
 
 47分、右サイドを打開した車屋の鋭いクロスに対し、後ろに下がりながらの難しい体勢からスライディングでボールを弾き出す。さらにセカンドボールを拾った大島から前線への縦パスにも、再び身体を投げ出してカット。阿部が身を挺して、試合の主導権を渡さなかった。
 
 打たれたシュートは前半4本、後半2本。決定的と言える場面は一度だけ。枠内には1本も飛んでこなかった。一度火がつけば、猛烈な炎と化して襲い掛かってくる。手が付けらなくなった時の川崎の怖さは十分知っていた。その燃え上がる前の段階で、阿部がことごとく“火種”を消していった。
 
 完璧とも言えた「中村憲剛-大久保嘉人」強力ホットラインへの細心の注意――。「でも、どちらかというと」と、阿部はそれ以上に心掛けたことがあった。
 
 阿部が一番気にしていたのが、最終ラインから前線までの「距離」だったと言う。
 
「どちらかというと、前との距離。そこが開きすぎないようにしたかった」
 
 ピッチ中央でチーム全体を俯瞰するようにプレーしていたのには、そんな理由もあったことが見えてくる。
 
「(距離が)開いてしまうと、前線の選手が(パスを受けるために)下がってきて、1トップ(この試合であれば興梠慎三)が孤立してしまうことがある。その距離を縮められれば、前は下がらずに済む。今日は高い位置で、前線の3人もプレーできていたと思う」
 
 そのように説明する阿部は一方で、興梠、武藤、李忠成の前線3人のプレスの効果の大きさも強調していた。
 
「前線から守備をしてくれることで、チームのスイッチが入る。その意識を共有できているから、良い攻撃につながっている。だから、自分は高い位置から、セカンドボールを狙えている」
 
 振り返ってみると、セカンドボールへの反応が良く、回収率も高かったのは、浦和のほうだった。二次、三次攻撃を繰り出し、攻撃が詰まったら、再び最終ラインや阿部が下がって攻撃を組み立て直す。

 後半はアウェーチームのほうがリズムを崩さす、最後まで試合をコントロールできていた。阿部であり、チーム全体がプレーしやすい間合いに、相手を引き込んでいた。それができれば、どんな力のある相手でも、力を半減させられることを証明した。

  一方、川崎のFW小林は次のように敗因を語った。
 
「前と後ろで、完全に分かれてしまい、距離が開いてしまった」

 
 
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