本田とボナベントゥーラの調子が落ちるのは当たり前だ。
しかし、これには条件がある。ミランがリーグで6位以内に入った場合だけ、この原理が成り立つのだ。もし7位以下に転落し、コッパ・イタリア決勝でも敗れてしまえば、ミランは来シーズンもまたヨーロッパの舞台でプレーする権利を逃してしまう。3年連続の失態だ。
もしそれが現実となれば、ミランのイメージはもとより、財政面でも大打撃を受ける。今はかろうじて6位に踏みとどまってはいるが、好調のサッスオーロが1ポイント差にまで迫ってきている。ミランが今置かれている状況は、非常にデリケートで危うい。
6位の座を確定しなければいけないというこの一番大事な時にも、相変わらず力を発揮できない選手に対しては、ミハイロビッチはもちろん、オーナーのシルビオ・ベルルスコーニも、副会長のアドリアーノ・ガッリアーニも激怒している。ミラネッロの空気はかなり重苦しい。
サポーターも怒り狂っている。今シーズン最低の試合の一つとも言えるアタランタ戦の後、クルヴァ・スッド(ゴール裏)に陣取るウルトラスのリーダーはこう主張した。
「今の選手たちは、ミランのユニホームを着るに相応しいスピリットを持ち合わせていない」
「チームは無秩序状態にある」
もちろん、この発言を全面的に支持するわけではないが、「ミランに値しないスピリット」という点に関しては、少なからず的を得ている。
「無秩序状態」という部分において、もっとも大きな責任があるのは、オーナーのベルルスコーニだろう。以前にもこのコラムで指摘したが、ベルルスコーニの“ミラン愛”は、いまや無用な混乱を招くばかりだからだ。起用法や戦術に関して素人並みの意見を振りかざし、シーズン半ばにして監督を見限るような発言を繰り返せば、監督が仕事に集中できなくばかりか、「結果が出ないのは監督のせいだ」と選手たちに体のいい逃げ口上を与えてしまう。絶対にしてはならないことだ。
ミハイロビッチは不調の原因を、選手たちのメンタリティーに問題があると指摘する。ガッツや自信に乏しく、困難を乗り越えようとする気力がないからだ、と。
事実だろう。さらに付け加えれば、選手たちの疲労にも原因があると私は思う。ミハイロビッチはある今年に入ってほとんど決めった13、14人の選手しか起用していない。休みなく使われる彼らには疲労が溜まっており、今になってそのツケを払わされている感が否めない。
このコラムで何度も繰り返してきたが、本田とジャコモ・ボナベントゥーラがその最大の被害者だ。2人が常に起用されるのは、もちろん監督の信頼の厚さゆえだが、同時に代役が不在だからだ。3部リーグに所属するアレッサンドリアとのコッパ・イタリアの準決勝第2レグでさえ、彼らは休めなかった。ここにきて両サイドハーフの出来が鈍ってくるのは、当たり前だ。
もしそれが現実となれば、ミランのイメージはもとより、財政面でも大打撃を受ける。今はかろうじて6位に踏みとどまってはいるが、好調のサッスオーロが1ポイント差にまで迫ってきている。ミランが今置かれている状況は、非常にデリケートで危うい。
6位の座を確定しなければいけないというこの一番大事な時にも、相変わらず力を発揮できない選手に対しては、ミハイロビッチはもちろん、オーナーのシルビオ・ベルルスコーニも、副会長のアドリアーノ・ガッリアーニも激怒している。ミラネッロの空気はかなり重苦しい。
サポーターも怒り狂っている。今シーズン最低の試合の一つとも言えるアタランタ戦の後、クルヴァ・スッド(ゴール裏)に陣取るウルトラスのリーダーはこう主張した。
「今の選手たちは、ミランのユニホームを着るに相応しいスピリットを持ち合わせていない」
「チームは無秩序状態にある」
もちろん、この発言を全面的に支持するわけではないが、「ミランに値しないスピリット」という点に関しては、少なからず的を得ている。
「無秩序状態」という部分において、もっとも大きな責任があるのは、オーナーのベルルスコーニだろう。以前にもこのコラムで指摘したが、ベルルスコーニの“ミラン愛”は、いまや無用な混乱を招くばかりだからだ。起用法や戦術に関して素人並みの意見を振りかざし、シーズン半ばにして監督を見限るような発言を繰り返せば、監督が仕事に集中できなくばかりか、「結果が出ないのは監督のせいだ」と選手たちに体のいい逃げ口上を与えてしまう。絶対にしてはならないことだ。
ミハイロビッチは不調の原因を、選手たちのメンタリティーに問題があると指摘する。ガッツや自信に乏しく、困難を乗り越えようとする気力がないからだ、と。
事実だろう。さらに付け加えれば、選手たちの疲労にも原因があると私は思う。ミハイロビッチはある今年に入ってほとんど決めった13、14人の選手しか起用していない。休みなく使われる彼らには疲労が溜まっており、今になってそのツケを払わされている感が否めない。
このコラムで何度も繰り返してきたが、本田とジャコモ・ボナベントゥーラがその最大の被害者だ。2人が常に起用されるのは、もちろん監督の信頼の厚さゆえだが、同時に代役が不在だからだ。3部リーグに所属するアレッサンドリアとのコッパ・イタリアの準決勝第2レグでさえ、彼らは休めなかった。ここにきて両サイドハーフの出来が鈍ってくるのは、当たり前だ。