• トップ
  • ニュース一覧
  • [本田泰人の眼]前田の先発起用は疑問。持てる実力は発揮していたが...MOMは“違い”を見せた10番

[本田泰人の眼]前田の先発起用は疑問。持てる実力は発揮していたが...MOMは“違い”を見せた10番

カテゴリ:連載・コラム

本田泰人

2024年03月22日

最後の精度も必要だ

前田にも攻撃で“違い”を見せるようなプレーを期待したい。写真:サッカーダイジェスト/JMPA代表撮影

画像を見る

 今回は狙いどおりの「1-0」ではなかったが、次は狙いどおりに手堅いサッカーで勝利を目ざす必要がある。その点で言えば、なおさら試合運びのうまさが求められる。

 次のアウェー戦のスタメンは、私が監督ならば、次のような顔ぶれになる。

FW:上田綺世
2列目:南野拓実、久保建英、堂安律
ボランチ:守田英正、遠藤航
最終ライン:伊藤洋輝、谷口彰悟、板倉滉、毎熊晟矢
GK:鈴木彩艶

 第1戦のスタメンからの変更点は、町田浩樹→谷口彰悟、菅原由勢→毎熊晟矢、前田大然→久保建英だ。中盤の左サイドには前田ではなく南野を置く。

 それにしても、森保監督はなぜ第1戦で前田を起用したのか。いまだに疑問が残る。

 前田のパフォーマンスは決して悪かったわけではない。先制点の起点にもなったし、スピードを活かした激しいチェイシングも何度も見せていた。彼が持てる実力は十分に発揮されていたと思う。

 しかし、4-2-3-1の左サイドはあくまでも攻撃的なポジション。前田の本職はフォワードで、守備的な選手というわけではないが、よほど戦術的な理由がないかぎり(例えば対峙する選手をマークしなければいけない場合など)、攻撃面で“違い”を作れる選手を優先して使うのがセオリーだ。

 前半、サイドの崩しはできていたが、最後の精度を欠いた。言い換えれば、前田がボールを持った時、堂安と南野のコンビネーションのようなプレーはそこまで期待できなかった。
 
 かつて守備力の高いフォワードが「DFW」とネットで騒がれた。これはDFとFWを掛け合わせた造語で、代表的な選手は鈴木隆行、岡崎慎司などだ。守備意識の高さという共通点があるだけに、前田も受け継いでいるように見える。しかし、彼らとの違いは、攻撃面での存在価値にある。

 鈴木はポストプレーができたし、岡崎は周りとのコンビネーションで崩せる技術があった。それに対して、前田はどうだろうか。

 彼の武器はチェイシングとスピードだが、攻撃のワンピースとして攻撃に絡んでいる際のプレーをどこに求めるか。スピードはあるが、三笘や伊東のような仕掛けの反復もまだまだ少ない。

 ディフェンダーからしたら、仕掛けてこない選手は怖くない。警戒しても三笘や伊東は仕掛けてくる。堂安も何をしてくるか分からない怖さがある。久保は最後のところで必ず仕掛けてくる。南野は周りを活かすコンビネーションとパスセンスで、最後のアクセントをつけられる。

 前田はエリアに入ってくるスピードは武器だが、ボールを持った時にその武器をまだ活かし切れていないように感じる。

 サイドの役割として、守備の切り替えの速さを重視するか、攻撃に比重を置くのか――。アウェーの第2戦では、守ってカウンターというシーンが増えるかもしれない。より慎重な試合運びが求められるが、それでも主導権を握って勝ち切るためには、最後の精度も必要だ。

 前田か、南野か、中村敬斗か。これまでの流れや序列を考えれば、中村が使われる可能性が高いだろう。

 三笘不在の左サイドをどう埋めるか。そのテーマを考えるうえでも、第2戦では左サイドの崩しに注目したい。

 チームとしての目標は勝つこと。そして自分たちで意図的にボールを動かし、試合を支配し、ピンチらしいピンチを与えない。そんなサッカーをアジア2次予選でできなければ、最終予選でも、本大会でもできるはずがない。アウェーの地で、一枚岩となって北朝鮮を叩きのめす日本を見せてほしい。

【PHOTO】激戦必至の北朝鮮戦。国立に集まり大声援で選手たちをサポートした日本代表サポーター(Part1)
【関連記事】
「絶対してはいけないプレー」堂安律はなぜ味方を叱責したのか「終わってから話もしました」
【日本1-0北朝鮮|採点&寸評】ホームで予想以上の苦戦。及第点を上回ったのは4人のみ。最高点はMOMの...
「ホームでひどい目に遭った」1-0勝利も森保Jの苦戦を韓国でも相次ぎ報道! 結果より関心が集まったのは…「“北朝鮮らしい”ことをした」
「大然くんに聞いたら…」ベンチから北朝鮮戦を見た久保建英の感想は?
北朝鮮戦で続いた悪い流れ...何事も起こらなかったのは相手が格下だったから。気になったのは日本ベンチ前の光景

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト いざアジア王者へ!
    5月10日発売
    悲願のACL初制覇へ
    横浜F・マリノス
    充実企画で
    強さの秘密を徹底解剖
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト シーズンラストの決定版
    5月16日発売
    2023-2024シーズン
    欧州5大リーグ
    BEST PLAYER
    元選手・識者たちが徹底討論!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ