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[本田泰人の眼]前田の先発起用は疑問。持てる実力は発揮していたが...MOMは“違い”を見せた10番

カテゴリ:連載・コラム

本田泰人

2024年03月22日

1点しか奪えなかったのは正直物足りない

田中の決勝点をお膳立てした堂安。日本の攻撃を牽引していた。写真:サッカーダイジェスト/JMPA代表撮影

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[アジア予選]日本 1-0 北朝鮮/3月21日/国立競技場

 北朝鮮との実力差は歴然だったが、日本は苦戦したのはなぜか。

 ワールドカップのアジア2次予選という大事な試合で、1-0という最小スコアながら最低限のノルマは達成した。しかし、FIFAランキングで日本は18位、北朝鮮は114位。技術も経験も明らかに日本の方が上だ。三笘薫、伊東純也の2枚看板を欠いていたとはいえ、90分で1点しか奪えなかったのは正直物足りない。

 唯一、褒められるシーンは前半早々に奪った先制点だ。

 左サイドで前田大然がプレッシングからボールを奪うと、田中碧のクロスを堂安律がヘッドで折り返す。南野拓実のシュートのこぼれ球を拾った堂安が再び、折り返したボールを、田中が右足で蹴り込んだ。

 運動量でも気迫でも北朝鮮を圧倒し、波状攻撃でゴールを奪い切る。このシーンを見た時、「今日はたくさんゴールが見れそうだ」と思った。

 しかしその後、日本の勢いは消えた。

 前半に訪れたビッグチャンスの一つでも決めていれば、展開は変わっていたかもしれない。その点で言えば、堂安がキーパーとの1対1のチャンスを決め切れなかったことが悔やまれる。ただし、その堂安はノーゴールだったことを差し引いても、日本の攻撃陣を引っ張って“違い”を見せていた。1アシスト止まりだが、この日のMVPなのは間違いない。
 
 後半、一進一退の展開となったのは、「1点差」で試合を折り返したからだ。北朝鮮に「まだ望みがある」と思わせたが、北朝鮮の武器はカウンターのみ。海外組を集めて迎えたホームゲームで、北朝鮮にペースを与えずに試合を運ぶべきだったが、それができなかったのも物足りない。

 最終ラインに冨安健洋がいれば、全体的にもっと安定していたかもしれない。後半途中、森保一監督は、守田英正に代わって遠藤航をピッチに送り込んだのも、試合運びに不安を感じたからだろう。

 選手の個々のパフォーマンスを見れば、総じて良くもなければ悪くもない。気になったのは前田や菅原由勢の精度の低さ、そして橋岡大樹の空回りしたプレーだ。

 橋岡の積極的な仕掛けを「思い切りの良いプレー」と見るかどうか。しかし、私の目には「力任せのプレー」に映った。右サイドバックは酒井宏樹を超える人材は出ていないが、左サイドバックも長友佑都を復帰させたように、相変わらずの人材不足だ。しつこいようだが、はやく旗手怜央を左サイドバックで試してみたい。

 つまり、北朝鮮戦をひと言で総括すれば、レギュラー組を驚かせる選手の台頭はなかったということだ。

 次のアウェー戦。平壌での開催が中止となったのは日本にとってポジティブな材料だ。ホームで北朝鮮の圧力にのまれるのだから、アウェーのしかも平壌だったらさらに深刻な事態になりかねない。

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