• トップ
  • ニュース一覧
  • ハードワーク、だけじゃない。攻撃でも違いを見せた前田大然が、北朝鮮戦で打った布石。フル出場は指揮官の信頼度が高まった証拠だ

ハードワーク、だけじゃない。攻撃でも違いを見せた前田大然が、北朝鮮戦で打った布石。フル出場は指揮官の信頼度が高まった証拠だ

カテゴリ:日本代表

元川悦子

2024年03月22日

おしゃれなヒールパスで好機演出

20代後半になって本格的にブレイクする選手は少なくない。26歳の韋駄天もここからピークを迎えたい。写真:サッカーダイジェスト/JMPA代表撮影

画像を見る

 ただ、この日の前田の勢いはとどまるところを知らなかった。単にハードワークや守備で存在感を示すだけでなく、ドリブル突破で敵をはがし、伊藤洋輝(シュツットガルト)との縦関係から効果的な崩しを披露。おしゃれなヒールパスからチャンスをお膳立てするシーンもあった。

「ハードワークだけでも、もちろんチームは助かりますけど、それプラス、何かを見せないといけないのは、アジアカップが終わってから自分の課題かなと思っていた。自分はスピードがあるので、それを活かさないのはもったいない」と前田も語ったが、それは昨季から今季にかけてセルティックで指導してくれたハリー・キューウェル・コーチ(現横浜監督)から口を酸っぱくして言われたことでもある。

「なぜ仕掛けないんだ」と毎日のように言われ、試合後には映像を見ながら長時間、オン・ザ・ボールの課題に向き合ってくれた恩人の教えを、前田は愚直に実践し続けたという。

 第二次森保ジャパンでもサイド要員として位置づけられるようになったが、指揮官の信頼はなかなか得られない。前田も「代表ではまだまだということだと思う」と自信を持てずにいた。

 しかしながら、イラン戦で必要な選手だと印象付け、今回は攻撃面でも異彩を放った。となれば、「三笘不在でも前田で十分にいける」という評価になっても当然だ。
 
 今後のことは未知数ではあるが、彼がドリブルの突破力を磨き、フィニッシュの精度を高め、“爆発的なスピードでチャンスメイクもできて、点も取れる選手”になれれば、三笘に匹敵する存在になることもあり得る。北朝鮮戦ではそれだけの大きなポテンシャルを示したと言っていいだろう。

 チームとしてもイラン戦の反省を踏まえ、早めに5バックにして守り切ったことは1つの前進だろう。前田もフル出場し、最後まで強度の高い守備と一瞬のスピードを示し続けた。

 これまではスタメン起用されても早い時間帯に交代することが多かったが、このフル出場は森保監督の信頼度が高まった証拠でもある。この調子で攻守の両局面でプレーの幅を広げ、常に脅威を与え続けられるアタッカーになってくれれば理想的。

 20代後半になってブレイクする選手は昨今、少なくないだけに、前田にもここからピークを迎えてほしいもの。彼は北朝鮮戦でその布石を打ったのではないだろうか。

取材・文●元川悦子(フリーライター)

【記事】「相手の罠にはまった」北朝鮮戦の後半、日本代表に何が起きていたのか。選手たちが証言した“激変”の理由「蹴らなくていいのに...」

【記事】速い、とにかく速い。前田大然は相手にとって脅威でしかない。記者席横のちびっ子は「バケモンだよ!」

【PHOTO】代表復帰の田中碧が先制点!日本が開始2分の得点を守り切り、北朝鮮代表を下す!|北中米W杯アジア2次予選 日本 1-0 北朝鮮
 
【関連記事】
速い、とにかく速い。前田大然は相手にとって脅威でしかない。記者席横のちびっ子は「バケモンだよ!」
【日本1-0北朝鮮|採点&寸評】ホームで予想以上の苦戦。及第点を上回ったのは4人のみ。最高点はMOMの...
「相手の罠にはまった」北朝鮮戦の後半、日本代表に何が起きていたのか。選手たちが証言した“激変”の理由「蹴らなくていいのに...」
「悪性伝染病が原因?」北朝鮮vs日本戦の平壌開催が急きょ中止→明かされた理由に韓国メディアも驚愕!「日本には好都合だろう」
【セルジオ越後】ドイツ相手に4点を奪った攻撃力はどこに? 北朝鮮が健闘したというより日本が不甲斐なかった

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト いざアジア王者へ!
    5月10日発売
    悲願のACL初制覇へ
    横浜F・マリノス
    充実企画で
    強さの秘密を徹底解剖
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ガンナーズを一大特集!
    5月2日発売
    プレミア制覇なるか!?
    進化の最終フェーズへ
    アーセナル
    最強化計画
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ