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現地紙コラムニストが綴る――武藤嘉紀のブンデス挑戦記「ヨッチが再びピッチに戻ってくる日を心待ちにしたい」

カテゴリ:連載・コラム

ラインハルト・レーベルク

2016年04月01日

復帰後はコルドバの“共演”を視野に入れていたが…。

復帰後は武藤をウイング起用する構想を口にしていたシュミット監督(右)にとっても、今回の離脱は痛恨だった。(C)Getty Images

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 振り返ってみれば、2015年の夏はほぼオフがなかった。Jリーグからそのままマインツのプレキャンプに飛び入りし、秋には日本代表の試合に出場するため、長い移動も強いられた。そうした疲労の積み重ねが、今回の負傷に繋がったとも考えられる。

 武藤は欠場中、チームに戻ったときのことを想定して試合を緻密に分析していた。

「ハノーファー戦(2月6日、20節)に勝ってから、どんどんチーム力が高まっていった。いまは7位。ヨーロッパ・カップ戦の出場に手の届くところにいる。なんとかその目標を達成するために、僕も早く助けになりたい」

 また、復帰後はCFに定着したジョン・コルドバとの“共演”を視野に入れてもいた。

「大きなセンターバックを相手にボールをキープして、上手くパスを散らす。前は自分がそれをこなしていたけど、FC東京とはまるで違う役割だった。コルドバとは全然違うタイプだからね。復帰したらウイングで起用されると思う。そのほうが僕に向いている」

 今回の負傷は、マルティン・シュミット監督にとっても大きな誤算だろう。「4-3-3でヨッチをウイングに置けば、相手はマークを絞りにくくなる。敵陣深くでの彼の仕掛けとスプリントこそが、いまの我々に必要なオプションなんだ」と期待を寄せていたが、貴重な切り札を失ってしまった。

 一度目の離脱の直後、武藤は「さらに強くなって戻ってくる」と意気込みを語っていた。その言葉を信じて、彼が再びピッチに戻ってくる日を心待ちにしたい。

文:ラインハルト・レーベルク
翻訳:円賀貴子

【著者プロフィール】
Reinhard REHBERG(ラインハルト・レーベルク)/『ライン新聞』で1987年から27年にわたってマインツの番記者を務める。現在はフリーで、「マインツァー・アルゲマイネ新聞」のコラムニストを務める一方、監督業を志す指導者に向けたコーチングも行なっている。マインツ出身、57年7月30日生まれ。
 
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