【識者の視点】なでしこの敗退、U-23の勝利からフル代表はなにを教訓とすべきか?

カテゴリ:日本代表

加部 究

2016年03月23日

最後の最後まで競争を促し、潜在能力を引き出したU-23代表。

浦和とU-23代表で好対照の矢島(左)と関根(右)だが、手倉森監督はリオ五輪本番まで競争が続くというメッセージを発し続けている。(C) SOCCER DIGEST

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 逆に男子はダークホースにもなれない厳しい状況に置かれていた。U-19でもアジア大会でもベスト8の壁を破れていない。そのままの流れで臨めば、1996年アトランタ大会から続く連続出場も途切れる危険性が高かった。
 
 なでしこと異なり、男子には失うものがなかった。だからこそ挑戦者として、手倉森誠監督も誰にも指定席を与えず、最後の最後まで競争を促すことで潜在能力を最大限に引き出した。なでしこはリードされると精神的にも追い込まれたが、もともと劣勢が予想されていた男子は、その分だけ常に攻撃的な姿勢を貫けた。
 
 2点のビハインドを跳ね返したライバル韓国との決勝戦などは象徴的で、J1王者広島の切り札的な存在なのにベンチに置かれた浅野拓磨が、ゴールという結果への渇望を剥き出しにして勝利へと導いている。
 
 こうした姿勢はメンバー選考の段階から貫かれており、あくまで指揮官は実績を度外視して代表でのチームへの貢献度を優先した。同じ浦和に所属しながら、関根貴大はレギュラーとして活躍し、矢島慎也は出場機会を確保できずに岡山にレンタル移籍している。
 
 しかし手倉森監督は、浦和でのプレーや評価ではなく、U-23代表でのパフォーマンスを比較して矢島のほうを選んだ。そして矢島も期待に応えて予選突破に貢献。しかし手倉森監督は、再度関根を招集してリオ五輪本番まで競争が続くというメッセージを発しているのだ。
 
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