巧さだけでは通用しない――久保建英という才能に“森山イズム”がさらなる磨きをかける

カテゴリ:高校・ユース・その他

安藤隆人

2016年03月22日

「前への意識」「球際への迫力」は格段に増した。

久保は、大会では最大で3学年上の選手を相手に戦った。しかし、どんな環境、状況でもそれを言い訳にすることなく、「闘う」メンタリティを森山監督は求めている。写真:安藤隆人

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 久保がジュニア時代から13歳まで技を磨いたバルセロナユースでのキャリアはどうしても他と比べると傑出しており、話題性という面でも極上のフックを持っている。前述したように才能も将来性も抜群なのは疑いようのない事実だ。
 
 だが、もし本気でこの稀有な才能を育てようと思うならば、この年代から特別扱いをするのは、その将来性をも断ち切ってしまう危険性をはらんでいる。
 
 森山監督はそれを十分に理解しているからこそ、常に厳しい要求をつき続けているし、常に久保をU-16代表に選び、今回のU-17においても選出し、主軸として起用し続けているのだ。
 
 久保自身もまた、そのことを十分に理解し、厳しくも愛のある要求に真摯に応えようとしている。その成果は着実に見えている。チーム立ち上げの頃と比べれば、「前への意識」、そして「球際への迫力」は格段に増した。だが、FWである以上、求められるのは結果だ。
 
 より光り輝く可能性を持っているからこそ、茨の道を用意するのが森山監督のイズム。そして、久保も謙虚に、周りが作り上げようとする「エース」の看板にとらわれず、必死で食らいついているからこそ、森山イズムの浸透とともに着実な成長曲線を描いている。
 
 筆者は「今」の久保ではなく、その将来に大きな希望を抱いている。
 
取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)
 
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