連載|熊崎敬【蹴球日本を考える】李忠成の「見えないアシスト」と岐路に立つ遠藤航

カテゴリ:Jリーグ

熊崎敬

2016年03月21日

遠藤の定位置が3バック中央になると、前に出る良さを発揮するチャンスはほとんどない。

3バックのリベロとして安定感あふれるプレーを見せた遠藤だが、前線へ飛び込んでいく場面は限られた。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 さて、チーム全体が効率よく機能した浦和だが、気になることもある。古巣と対戦した遠藤航のことだ。
 
 3バックの中央を任された彼は、落ち着いたプレーで完封勝利に貢献した。
 だが、驚異的な出足で何度も敵のゴールに迫っていた湘南時代を思うと、物足りない。もっともこれは致し方ない。かつてとはポジションと役割が異なるからだ。
 
 このまま3バックの中央が定位置になると、遠藤の仕事は最後尾での守備とつなぎがメインになり、前に出る良さを発揮するチャンスはほとんどない。後方での組み立てを仕切るのも阿部である。
 厳しい見方をすれば、遠藤でなくてもいいということになってしまう。
 
 これが移籍の難しさだ。
 地方クラブで結果を出して、ビッグクラブに移籍する。それは間違いなく出世だが、新天地には代表クラスがひしめいていて、自分の長所を最大限に生かせるポジションはない――。
 
 こういうことは、決して珍しいことではない。サッカーに限らず、一般社会でもよくあることだ。
 
 難しい状況のなかで、どうやって自分をアピールしていくのか。いま遠藤は、キャリアを大きく左右する岐路に立っている。
 
取材・文:熊崎 敬
 
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