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不甲斐なさを痛感。“10番”堂安律に求められる、さらなる奮起。ソン・フンミンのように、鬼気迫る闘争心と個の違いを示せる存在になってほしい【アジア杯】

カテゴリ:日本代表

元川悦子

2024年02月04日

「脳からダメージが来て...」

日本の「10番」として、誰もが納得するような活躍を見せてほしい。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 だが、後半になると両サイドが高い位置を取れなくなり、堂安も“消えている”時間が長くなった。とはいえ、チームを離脱した伊東純也(スタッド・ドゥ・ランス)という重要なカードを使えず、堂安がある程度、出続けているしかない。

 彼自身も3戦連続スタメンで疲労が溜まり、動きにキレがなくなってきていた。そうなると、鋭いフィニッシュという武器も発揮できない。さすがの堂安もなす術を見出せなかった。

「前半は身体も動いていたなかで、セカンドボールの球際も勝っていましたけど、やっぱり後半ですね、ズルズルズルズル行ってしまったし、失点の仕方がちょっと悪くて、メンタル的にもダメージが来た。

 普段動けるはずが、脳からダメージが来て、ちょっとずつまた動けなくなった。攻撃もボール持った時に打開策が全く見えなかったし、後半は本当に情けないゲームでした」と堂安も反省しきりだった。

 彼自身がエースナンバー10を背負っている以上、このようなパフォーマンスを二度と繰り返してはいけない。2026年北中米W杯のアジア枠が8・5枠に拡大したとはいえ、日本はここから1年以上も予選を戦わなければいけない。前回大会の最終予選でもオマーンとサウジアラビアに敗れたように、今回も同じミスを犯さないとも限らない。
 
 そういう時に、前回は長友佑都(FC東京)や吉田麻也(LAギャラクシー)らベテランが力強くリードしてくれたが、今はそういう面々もいない。ならば、メンタルが強く、悪いことは悪いとハッキリ言える堂安が、闘将タイプの冨安健洋(アーセナル)と力を合わせてチームを引っ張っていくしかない。ここからはもう遠慮している場合ではないのだ。

 代表で堂々と振る舞うためにも、所属のフライブルクでもっと目覚ましい結果を残す必要がある。今季の堂安は親知らずの問題の影響もあってシーズン序盤に躓き、まだ今季リーグ戦で1ゴールしか奪っていない。チームの順位も7位とUEFA圏内が微妙な情勢。このまま足踏み状態を続けるわけにはいかない。

 堂安がかつての香川真司(C大阪)や本田圭佑のような絶対的エースになってくれれば、イラン戦のような苦境でもワンチャンスから一撃を食わらせることができる。

 2日のオーストラリア戦で韓国の絶対的エース、ソン・フンミンが見せたような鬼気迫る闘争心と個の違いを示せる存在になってほしい。それが2度目のアジアカップで挫折を味わった堂安に求められる今後の重要テーマだ。こんなところで歩みを止めている時間はない。

取材・文●元川悦子(フリーライター)

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