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【連載】小宮良之の『日本サッカー兵法書』 其の六十二「重視すべきは数でなくポジション」

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2016年03月17日

簡単には作れないが、不動の強さを得るのに不可欠なもの――。

組織として先を読むポジショニングを身につけているセビージャ。毎シーズン、主力を引き抜かれても力が落ちない理由はここにあるのだろう。 (C) Getty Images

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 今や、欧州のトップレベルの指導者は数的優位を語らない。それが時代遅れで、実がないものだということを知っているからだ。彼らはポジション的優位について日々、熟成を深めている。
 
 バイエルンのジョゼップ・グアルディオラ監督は、ポジションゲームを極めることによって、多くのプレーで相手を上回ることができている。「地の利」を得れば、簡単に負けることがない。それは坂の下の敵に、逆落としを仕掛けるようなものなのだ。
 
 ヨーロッパリーグ2連覇中のセビージャを率いるウナイ・エメリも、守から攻の切り替えにおいてポジション的優位を作る天才だろう。
 
 ブロックを作って守っている時、FWは守備のポジションを取りながらも、攻撃のスペースを必ず確保する。実際、FWケビン・ガメイロはカウンターにおいて、相手のポジションの乱れを突くようにしてボールを受け、幾つものゴールを挙げているのだ。
 
 ポジション的優位。
 
 それは言うまでもないが、簡単に作り出せるものではない。選手のインテリジェンス、そして監督の統率力やセンスも欠かせないからだ。
 
 だからこそ、それを作り出したチームは、不動の強さを手に入れることになる。
 
文:小宮 良之(スポーツライター)
 
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。01年にバルセロナへ渡りライターに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写。近著に『おれは最後に笑う』(東邦出版)。
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