簡単には作れないが、不動の強さを得るのに不可欠なもの――。
今や、欧州のトップレベルの指導者は数的優位を語らない。それが時代遅れで、実がないものだということを知っているからだ。彼らはポジション的優位について日々、熟成を深めている。
バイエルンのジョゼップ・グアルディオラ監督は、ポジションゲームを極めることによって、多くのプレーで相手を上回ることができている。「地の利」を得れば、簡単に負けることがない。それは坂の下の敵に、逆落としを仕掛けるようなものなのだ。
ヨーロッパリーグ2連覇中のセビージャを率いるウナイ・エメリも、守から攻の切り替えにおいてポジション的優位を作る天才だろう。
ブロックを作って守っている時、FWは守備のポジションを取りながらも、攻撃のスペースを必ず確保する。実際、FWケビン・ガメイロはカウンターにおいて、相手のポジションの乱れを突くようにしてボールを受け、幾つものゴールを挙げているのだ。
ポジション的優位。
それは言うまでもないが、簡単に作り出せるものではない。選手のインテリジェンス、そして監督の統率力やセンスも欠かせないからだ。
だからこそ、それを作り出したチームは、不動の強さを手に入れることになる。
文:小宮 良之(スポーツライター)
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。01年にバルセロナへ渡りライターに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写。近著に『おれは最後に笑う』(東邦出版)。
バイエルンのジョゼップ・グアルディオラ監督は、ポジションゲームを極めることによって、多くのプレーで相手を上回ることができている。「地の利」を得れば、簡単に負けることがない。それは坂の下の敵に、逆落としを仕掛けるようなものなのだ。
ヨーロッパリーグ2連覇中のセビージャを率いるウナイ・エメリも、守から攻の切り替えにおいてポジション的優位を作る天才だろう。
ブロックを作って守っている時、FWは守備のポジションを取りながらも、攻撃のスペースを必ず確保する。実際、FWケビン・ガメイロはカウンターにおいて、相手のポジションの乱れを突くようにしてボールを受け、幾つものゴールを挙げているのだ。
ポジション的優位。
それは言うまでもないが、簡単に作り出せるものではない。選手のインテリジェンス、そして監督の統率力やセンスも欠かせないからだ。
だからこそ、それを作り出したチームは、不動の強さを手に入れることになる。
文:小宮 良之(スポーツライター)
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。01年にバルセロナへ渡りライターに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写。近著に『おれは最後に笑う』(東邦出版)。