MF太田隼剛(市立船橋／３年)
幼稚園の頃に見た2011年大会の市立船橋高に憧れ、入学を決めたボランチは憧れの舞台で誰よりも眩い輝きを放った。自陣での組み立てに関与しつつ、時折差し込む左足のスルーパスは秀逸。準決勝ではタイミングの良い飛び出しで同点弾をアシストした。主将としての貢献も含め、今年のイチフナは彼の存在抜きでは語れない。

MF芝田玲(青森山田／３年)
「周りから見て“やっぱりこいつが一番存在感がある”と思われたい。味方からは“やっぱり頼もしいな”と思われるような選手になりたい」。新チームが発足した頃に発していた言葉を実現した大会だった。「全てにおいて手を抜きたくない」との性格を示すように、パスで魅せる技巧派ながらも守備も一生懸命。青森山田らしさを感じる攻守で輝く10番だった。

MF鵜戸瑛士(近江／３年)
憧れの選手として挙げるのは、日本代表のMF伊東純也(スタッド・ドゥ・ランス)。本家同様、スピードに乗ったドリブルが持ち味で、「チームを勝たせなければいけないという気持ちが強くなっている」今年度は、サイドを突破する回数が目に見えて増加。準々決勝と決勝で３ゴールを記録し、ジャイアントキリングを牽引した。
 

FW中村健太(堀越／３年)
「この1年は常に責任と覚悟で押し潰されそうだった」と話す通り、ボトムアップ方式のチームでキャプテンを務めるのは簡単ではない。大役を務めあげた功績とともに光ったのは柔軟なプレー。右利きながら左足で持つプレースタイルで、相手に縦突破とカットインを絞らせずピッチを躍動。チャンスを連発し、４強入りの立役者となった。

FW郡司璃来(市立船橋／３年)
清水内定のストライカーは初戦でハットトリックを達成し、鮮烈な選手権デビュー。以降は激しい警戒網に苦しみながらも、要所できっちりゴールネットを揺らし、エースとしての大役を果たす。目標の日本一を達成できず悔しさを滲ませる一方、「どれだけ相手にマークに付かれようが、自分の強みを出したら絶対に剥がせていた」と収穫も十分。

FW米谷壮史(青森山田／３年)
正木昌宣監督が「あまり大きくはないけど身体の使い方が上手いし、タイミングも良い」と高く評価するポストプレーが持ち味。アグレッシブなハイプレスも含め、前線での存在感が際立つストライカーは３回戦でハットトリック。決勝では優勝に導く自身５点目を奪い、郡司とともに得点王に輝く。

取材・文●森田将義

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