今季の三笘は最初の数プレーでシャープさ見せても、その後に沈んでいくことが多い。しかしながらこの試合では、疲れが見えてきた終盤こそ存在感が薄くなったものの、後半途中までは攻守に輝きを失うことはなかった。

「（90分間）出るつもりはなかったですけど、正直。でも、そういうこともあると思いますし。久々できつかったですけど、出られて良かったと思います。点差も１点でしたし、クローズしたいという気持ちもあると思いますし、僕もまだまだできたところがあったので」

　さらに自身のコンディションについても、「全然よくなってますよ。よくなってると思いますけど、それがプレーに表れるかは別の問題なので。自分の中ではいいと思いますけど」と続けた。
 

　本人がこう話すとおり、彼は明らかに復調しつつある。「完全」まではあと一歩かもしれないものの、10月途中から続く体調不良や右大腿裏の怪我などで戦列を離れる時間があったことで、過密日程による連戦に次ぐ連戦で疲弊しきっていた身体を休める時間が作れたのも確かである。

　加えて、長らく勝利から離れていたチームには、ようやくまた白星が戻り始めた。選手たちにとって最大の良薬が、何よりも勝利だ。

　久しぶりにアシストが付いたことについて聞かれた三笘も、個人の数字よりもチームの勝利が重要だということを強調している。　

「意識してするべきではないと思います。チームのためにプレーすれば勝手に（アシストは）ついてくる。周りの人はそういう風に考える人もいるかと思いますけど、僕はそこまで（考えていません）。今は怪我人も多いチームのためにも、こうやってギリギリの戦いを勝っていくしかない。その上で（アシストが）つけばうれしいですけど」

　プレミアリーグ２シーズン目の三笘は、ここまではチーム同様に波に乗り切れていない。この勝ち星をスプリングボードとして、次戦バーンリー戦以降におけるさらなる活躍に期待が懸かる。

取材・文●松澤浩三

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