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【ブンデス現地コラム】いまだ最下位に沈むハノーファー。清武と山口の中盤を軸に、ブレーメンとの“裏天王山”をモノにできるか?

カテゴリ:連載・コラム

中野吉之伴

2016年03月04日

課題の守備がどこまで機能するかがポイントに。

23節のシュツットガルト戦ではシュルツの2ゴールで勝利。正確なキックで得点を演出したのが清武だった。(C)Getty Images

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 続くブンデスリーガ24節のヴォルフスブルク戦(3月1日)でも、ハノーファーは同じスタメンで臨んだ。5分から30分頃まではダイレクトもしくは2タッチでの小気味いいパスワークから何度もチャンスを創出。15分には清武が絶妙なタイミングでスルーパスを送るも、パスを受けたカラマンはこれを決められず。32分には右サイドを突破した酒井宏樹のクロスに清武が合わせようとしたが、相手DFにぎりぎりでクリアされた。

 流れは悪くなかったものの、時間の経過とともに守備の不安を露呈。守備時のハノーファーはトップ下の清武とフォッスムの負担を軽減させるため、FWのカラマンとヴォルフが両サイドハーフの位置まで下がる手法を用いている。ヴォルフスブルク戦では、これがハマらなかった。カラマンとヴォルフが対面する敵SBの攻め上がりにつられて中盤センターに広大なスペースが生まれ、ボランチの山口とホフマンの負担が激増。シュツットガルト戦では守護神ロン=ロベルト・ツィーラーのファインセーブと相手のシュートミスに救われたが、優れたタレントを擁するヴォルフスブルクが相手ではそう簡単にいかなかった。

 36分にアンドレ・シュールレに先制点を許したハノーファーは、後半からFWアダム・サライを投入してシステムを4-2-3-1に変更。しかし、これが完全に裏目に出てしまう。選手間の距離が遠くなりパスのリズムに狂いが生じたうえ、1トップで起用されたサライへの縦パスを狙われて度々カウンターからピンチに晒された。ボランチにポジションを移したフォッスムはパスの出しどころを探してはボールを失い、前半途中に太腿を強打した清武も徐々に失速。策がハマらず、あらゆる面でヴォルフスブルクと力の差を見せつけられたハノーファーは、結局0-4の大敗を喫した。

 残留を争うブレーメンとホッフェンハイムがともに勝利したため、最下位に沈むハノーファーはより一層厳しい状況に追い込まれた。次節の15位ブレーメンとの“裏天王山(3月5日)”は絶対に落とせない一戦だ。攻撃ではポジティブな兆しが見られるだけに、守備がどこまで機能するかがポイントになるだろう。

文:中野吉之伴

【著者プロフィール】
中野吉之伴/ドイツ・フライブルク在住の指導者。09年にドイツ・サッカー連盟公認のA級コーチングライセンス(UEFAのAレベルに相当)を取得。SCフライブルクでの実地研修を経て、現在はFCアウゲンのU-19(U-19の国内リーグ3部)でヘッドコーチを務める。77年7月27日生まれ、秋田県出身。
 
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