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ただ上手くなりたいだけ。純粋な向上心でメキメキと成長。「試合に出られずに敗れた」U-17W杯も貴重な経験に【パリの灯は見えたか|vol.5 半田陸】

カテゴリ:連載・コラム

松尾祐希

2023年11月28日

“守る”楽しさが芽生えていく

4年前に共闘した鈴木も現在はA代表に名を連ねる。(C)Getty Images

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 そんな小学校時代を過ごした後、半田は新たなチャレンジを決断する。モンテディオ山形ジュニアユース村山への加入だ。かつて上山カメレオンFCに所属していた3つ上の先輩が籍を置いており、毎年チームからセレクションを受けに行く流れに自分も乗った。ただ、決してプロのサッカー選手になるための近道だと考えて選んだわけではない。

 理由はいたってシンプル。「上手い選手と一緒にやりたい」。

 小学校時代はチームから地域のトレセンに行く文化がなく、同年代の上手い選手たちとプレーする機会は皆無。そうした状況下でセレクションに合格し、晴れてモンテディオのユニホームに袖を通すことになった。

 しかし、加入当初は仲間の技術に驚いただけではなく、輪に入っていけず苦労したという。

「みんな小学校の時からトレセンなどで面識があって、すでに知り合いという状況でした。その中で僕がいきなり入ったので、最初は難しかった。選手のレベルも高くて、この中でやっていけるのかという不安が少なからずあった」

 ポジションは定まっていなかったが、この頃は自分に合ったプレーを模索している段階でもあった。

 徐々にチームに馴染んでいくと、自分の良さを理解できるようになる。コーチの助言もあり、中学2年生の頃には守備の面白さに気づいた。CBとSBで起用され、“守る”楽しさが芽生えていく。ただ、SBとCBのどちらかを選ぶつもりはなく、「それぞれ違った楽しさがあった。どっちでプレーしたいという気持ちもなかった」。

 この頃、半田は初めてナショナルトレセンに入り、もう1つ上のレベルでプレーする機会も得る。そこでまた新たな選手と出会い、大きな刺激を受けた。
 
「ジュニアユース村山に入団した時と同じような感覚がありました。さらに1つ上のレベルの選手たちがたくさんいて、練習からめちゃくちゃ緊張したのを覚えている」

 今までに味わった経験がないステージでの戦いは、半田のモチベーションを高めた。新たなライバルと遭遇するたびに高揚感が味わえる。負けてもその悔しさを力に変え、成長するうえで新たなエネルギーになった。

「いろんな素晴らしい巡り合わせのなかで、常に切磋琢磨できる環境に身を置けたのは大きい」

 その積み重ねが認められ、ついに日の丸を背負うことに。2017年の2月。早生まれで資格を有していたU-15日本代表の活動に招集されたのだ。

 2019年のU-17ワールドカップを目ざすチームにとって、立ち上げとなる合宿。「日の丸がついたユニホームを着られる。すごく嬉しかったし、誇らしかったです」。半田は胸を躍らせて、新たな境地に足を踏み入れた。

 ここでもまたレベルの高さを痛感させられる。当時、エースとして注目を集めていたのが、FW西川潤(現・鳥栖)だった。

「今までに味わったことがない感覚」。同じ早生まれ組だったが、力の差を嫌というほど見せつけられる。スピードでもテクニックでも上回られ、マッチアップしても勝てなかった。

 もっとも、そうした経験を力に変えて成長してきた半田にとっては、特別なことではない。U-15代表での出来事は挫折ではなく、成長スピードを加速させるひとつのきっかけに過ぎなかった。
 
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