ただ上手くなりたいだけ。純粋な向上心でメキメキと成長。「試合に出られずに敗れた」U-17W杯も貴重な経験に【パリの灯は見えたか|vol.5 半田陸】
カテゴリ:連載・コラム
2023年11月28日
メキシコ戦は無理すれば出場できたが...

19年3月に山形とプロ契約。同年はJ2で5試合に出場し、高校卒業後の20年は15試合出場、翌21年は37試合出場と着実にキャリアを積んでいった。写真:田中研治(サッカーダイジェスト写真部)
17年9月にはU-16アジア選手権(現U-17アジアカップ)の1次予選を経験。気がつけばキャプテンを任され、チームに欠かせない選手に成長を遂げていた。
「代表とかプロとかは漠然としたものでしかなく、ただ上手い選手たちに追いつきたいとか、この人たちからボール取りたいだけ。単純にそういう想いのほうが強かったかもしれない」
生粋のサッカー少年は、アジアの舞台でもより高みを目ざしてライバルたちと戦う。U-16アジア選手権で優勝を収め、ワールドカップに挑む権利を掴んでも、その想いは変わらなかった。
そして、迎えた2019年の10月下旬。半田は初めてアジアを飛び出し、国際舞台を戦うことになる。U-17ワールドカップのグループステージは、オランダ、アメリカ、セネガルと対戦。いわゆる“死の組”に組み込まれたが、日本は初戦でオランダに3-0で完勝し、続くアメリカ戦は0-0で引き分け。セネガルとの最終戦は1-0で勝利し、2勝1分、無失点で首位突破を決めた。
半田はキャプテンとしてCBでハイパフォーマンスを見せ、ターンオーバーしたセネガル戦では右SBに回り、凄まじい身体能力を持つ相手を封じ込めた。
ここから世界一へ。ただ、ラウンド16のピッチに半田の姿はなかった。足を痛め、ベンチスタート。無理をすれば出場できたが、その先を見据えて治療に専念した。
想いを仲間に託し、ベンチから戦況を見つめた。キックオフ直前まで快晴だったが、国歌斉唱のタイミングで滝のような雨と雷に見舞われた。
「代表とかプロとかは漠然としたものでしかなく、ただ上手い選手たちに追いつきたいとか、この人たちからボール取りたいだけ。単純にそういう想いのほうが強かったかもしれない」
生粋のサッカー少年は、アジアの舞台でもより高みを目ざしてライバルたちと戦う。U-16アジア選手権で優勝を収め、ワールドカップに挑む権利を掴んでも、その想いは変わらなかった。
そして、迎えた2019年の10月下旬。半田は初めてアジアを飛び出し、国際舞台を戦うことになる。U-17ワールドカップのグループステージは、オランダ、アメリカ、セネガルと対戦。いわゆる“死の組”に組み込まれたが、日本は初戦でオランダに3-0で完勝し、続くアメリカ戦は0-0で引き分け。セネガルとの最終戦は1-0で勝利し、2勝1分、無失点で首位突破を決めた。
半田はキャプテンとしてCBでハイパフォーマンスを見せ、ターンオーバーしたセネガル戦では右SBに回り、凄まじい身体能力を持つ相手を封じ込めた。
ここから世界一へ。ただ、ラウンド16のピッチに半田の姿はなかった。足を痛め、ベンチスタート。無理をすれば出場できたが、その先を見据えて治療に専念した。
想いを仲間に託し、ベンチから戦況を見つめた。キックオフ直前まで快晴だったが、国歌斉唱のタイミングで滝のような雨と雷に見舞われた。
日本はメキシコに立ち向かうが、グループステージで見せたような躍動感を出せず、悪天候の環境を活かして戦ってきたメキシコに圧倒されてしまう。0-2で敗れたが、スコア以上に力の差を見せつけられた。
「U-17の本大会前にいろんな国に遠征したけど、練習試合とは全然違う。公式戦はまったく別。そういう一段階も二段階もギアが上がってくるところは、僕らが見習うべきところ。すぐに変えられるかは分からないけど、ノックアウトステージは、練習試合ともグループリーグともまた違う強さも感じさせられた」
もっと上手い選手と戦いたい――。そうやって成長を遂げてきた半田にとって、U-17ワールドカップの敗退は今までにない経験だった。だが、この経験が半田にとって、本当の意味でプロサッカー選手としてのスタートになる。
「試合に出られずに敗れた。本当に悔しい結果。自分を見つめる機会になった」
ワールドカップの借りを返すべく、次の国際舞台に向けて走り始めた。
※本稿は前編。後編は11月29日に公開予定です。
取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
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「U-17の本大会前にいろんな国に遠征したけど、練習試合とは全然違う。公式戦はまったく別。そういう一段階も二段階もギアが上がってくるところは、僕らが見習うべきところ。すぐに変えられるかは分からないけど、ノックアウトステージは、練習試合ともグループリーグともまた違う強さも感じさせられた」
もっと上手い選手と戦いたい――。そうやって成長を遂げてきた半田にとって、U-17ワールドカップの敗退は今までにない経験だった。だが、この経験が半田にとって、本当の意味でプロサッカー選手としてのスタートになる。
「試合に出られずに敗れた。本当に悔しい結果。自分を見つめる機会になった」
ワールドカップの借りを返すべく、次の国際舞台に向けて走り始めた。
※本稿は前編。後編は11月29日に公開予定です。
取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
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