【ポイント その2】不動の3バックにメス。「メンバーのシャッフル」

シャドーに抜擢された李が、ポストプレーから上手く反転し強烈なシュート。武藤の先制点をもたらす。前線の争いは熾烈だが、それぞれが持ち味を出すことに集中できている印象だ。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

勝利の笛が鳴った瞬間、安堵の表情を浮かべるこの日浦和デビューした駒井(18番)と宇賀神、そして主将の阿部(22番)、森脇(46番)。大きな1勝であり、チーム内の競争も一段と激しさを増した。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)
柏戦では3日前のACLシドニー戦からスタメン4人を変更。しかも柏戦の3バックは右から遠藤、槙野、森脇という、過去に例のなかった並びが組まれた。
試合後の記者会見でそのことを問われたペトロヴィッチ監督は、次のように説明した。
「私はターンオーバーという言葉は、使ったことがない。なぜなら、それは体力的に落ちたから(主力を)代えるというものだ。私たちは、シドニー、柏というタイプもクオリティも異なる相手と連戦をこなし、誰が、どの戦いで必要なのかを見極めてきた。これからもそのような基準で、23人のフィールド選手を入れ替えていく」
ひとつの大きなトピックスが、3年間ほぼ不動だった3バックに、ついにメスが入ったことだ。
シドニー戦では従来の左ストッパーで臨んだ槙野だが、柏戦ではリベロで先発フル出場。1トップに入ったスピードとテクニックのあるディエゴ・オリヴェイラの突破を食い止めるとともに、“守備の要”として最終ラインを統率した。
「昨季まで見られた、点を取ったあとに後ろに引きすぎてしまうところ、60分過ぎにバタつくところ、失点後にバランスを崩すところ、そういった反省点を改善しながら勝てた」(槙野)
今季は最終ラインも、試合や展開に応じて組み合わせが変化することになるだろう。
また、前線もシドニー戦の「ズラタン・武藤・梅崎」のセットから、柏戦は「興梠・武藤・李」と、武藤以外の顔触れを変え、それぞれが随所で持ち味を発揮した。柏戦ではジョーカー役のズラタンが決勝ゴールを叩き込む、理想的な展開に持ち込んだ。
一方で槙野と森脇の守備時の連係が不安定だったこと、前線で連動して崩すシーンが少なかったことなどは課題に挙げられる。ただ、修正点はありつつも結果を残せているのはプラスと言え、そのうえで「健全な競争を、チーム内に与えていきたい」とのペトロヴィッチ監督の理想がさっそく有言実行できている。幸先良い船出を切れたのは間違いない。
しかも3月2日のACLのアウェー浦項戦では、DFイリッチ、FW石原が出場する可能性が出ている。彼らが結果を残せば、チーム内の競争はより活性化されるはずだ。
昨季はゼロックス・スーパーカップ、ACL2試合と、Jリーグ開幕前までに公式戦3連敗を喫した。そこからJリーグ開幕後は、武藤と2年目の関根のブレイクもあって第1ステージ無敗優勝など快進撃を遂げた一方、ボランチと守備陣など主力の固定化が進んだ。
その代償として、疲労の蓄積したシーズン終盤に躓いたのは事実だ。
昨季の開幕3連敗と今季の2連勝。その差は今後を見据えたうえでも大きく、プラス材料はいろいろな面で見受けられる。
試合後の記者会見でそのことを問われたペトロヴィッチ監督は、次のように説明した。
「私はターンオーバーという言葉は、使ったことがない。なぜなら、それは体力的に落ちたから(主力を)代えるというものだ。私たちは、シドニー、柏というタイプもクオリティも異なる相手と連戦をこなし、誰が、どの戦いで必要なのかを見極めてきた。これからもそのような基準で、23人のフィールド選手を入れ替えていく」
ひとつの大きなトピックスが、3年間ほぼ不動だった3バックに、ついにメスが入ったことだ。
シドニー戦では従来の左ストッパーで臨んだ槙野だが、柏戦ではリベロで先発フル出場。1トップに入ったスピードとテクニックのあるディエゴ・オリヴェイラの突破を食い止めるとともに、“守備の要”として最終ラインを統率した。
「昨季まで見られた、点を取ったあとに後ろに引きすぎてしまうところ、60分過ぎにバタつくところ、失点後にバランスを崩すところ、そういった反省点を改善しながら勝てた」(槙野)
今季は最終ラインも、試合や展開に応じて組み合わせが変化することになるだろう。
また、前線もシドニー戦の「ズラタン・武藤・梅崎」のセットから、柏戦は「興梠・武藤・李」と、武藤以外の顔触れを変え、それぞれが随所で持ち味を発揮した。柏戦ではジョーカー役のズラタンが決勝ゴールを叩き込む、理想的な展開に持ち込んだ。
一方で槙野と森脇の守備時の連係が不安定だったこと、前線で連動して崩すシーンが少なかったことなどは課題に挙げられる。ただ、修正点はありつつも結果を残せているのはプラスと言え、そのうえで「健全な競争を、チーム内に与えていきたい」とのペトロヴィッチ監督の理想がさっそく有言実行できている。幸先良い船出を切れたのは間違いない。
しかも3月2日のACLのアウェー浦項戦では、DFイリッチ、FW石原が出場する可能性が出ている。彼らが結果を残せば、チーム内の競争はより活性化されるはずだ。
昨季はゼロックス・スーパーカップ、ACL2試合と、Jリーグ開幕前までに公式戦3連敗を喫した。そこからJリーグ開幕後は、武藤と2年目の関根のブレイクもあって第1ステージ無敗優勝など快進撃を遂げた一方、ボランチと守備陣など主力の固定化が進んだ。
その代償として、疲労の蓄積したシーズン終盤に躓いたのは事実だ。
昨季の開幕3連敗と今季の2連勝。その差は今後を見据えたうえでも大きく、プラス材料はいろいろな面で見受けられる。