連敗中だったACL初戦で勝点3。「その通りにボールがこぼれて来た」のを逃さず仕留める。
武藤「感謝しています。その想いを込めて、ゴールを決めますからね」
アーノルド監督「有難う。でも、それは来週にしてくれよ(笑)」
【ACL】浦和2-0シドニーFC
浦和の2016シーズン初陣となったACLグループステージのシドニー戦の前日練習で、武藤雄樹は、仙台時代にお世話になったグラハム・アーノルド監督と、そんな会話を交わしていたという。
2014年、アーノルド監督は仙台で開幕からわずかリーグ6試合(2分4敗)指揮したあと、成績不振を理由にその座を退いている。ただ、彼がその短い間に、武藤は5試合で起用(3試合先発、2試合途中出場)されるなど重宝された。
武藤の特長をよく知るアーノルド監督はそれだけに、シドニーの選手たちに浦和の背番号「9」を警戒すべきだと伝えていたと言う。
「私は仙台時代の武藤を見ているのでプレーをよく知っている。その後、移籍してからの活躍についても知っていた。だから今日の彼のプレーを、むしろ誇りに思っている。
シドニーの選手たちには、『(武藤は)動きが俊敏で、特にボックス(ペナルティエリア)に入ってからのレスポンスが早く、ゴールに対する嗅覚も鋭い。非常に危険な存在になる』と伝えていたのだが……まんまと決められてしまった」
先制点が決まったのは、開始8分だった。
シドニーの守備的な5-4-1布陣に対し、浦和は今季取り組んでいる高い位置からプレッシャーを掛ける“ミシャプレス”(ハイプレッシャー)が効果を発揮。右サイドでボールを奪うと、その流れから梅崎がクロスを放つ。すると相手マーカーの足に当たったボールが、ズラタンをブロックしていたDFとGKの間にこぼれ……、そこに、すかさず飛び込んだのが、武藤だった。
「『(シドニーの)DFはボールを流して、後ろのGKに任せるだろうな』と思ったら、その通りにボールがこぼれて来た」
そう語る武藤がGKの位置を見切り、冷静にシュートを流し込む。待望の先制ゴール――。浦和の2016シーズンの幕開けを告げる“号砲”が、約2万人のサポーターの歓声とともに轟いた瞬間だった。
様々な“意味”を持つ1点だった。
武藤にとっては、浦和のエースナンバーである新背番号9を新たにつけたプレッシャーを、この大事な一戦でまずはね退けたこと。チームにとっては、ペトロヴィッチ監督の下で過去2回のACL初戦で敗れていた悪い流れを断ち切り、先制点を奪えて、勝点3を奪えこと。そして、高い位置からプレスをかける新戦術がハマって得点に結び付いたこと――。大きくこの3つが収穫に挙げられそうだ。
武藤は胸を撫で下ろすとともに、気持ちを引き締めた。
アーノルド監督「有難う。でも、それは来週にしてくれよ(笑)」
【ACL】浦和2-0シドニーFC
浦和の2016シーズン初陣となったACLグループステージのシドニー戦の前日練習で、武藤雄樹は、仙台時代にお世話になったグラハム・アーノルド監督と、そんな会話を交わしていたという。
2014年、アーノルド監督は仙台で開幕からわずかリーグ6試合(2分4敗)指揮したあと、成績不振を理由にその座を退いている。ただ、彼がその短い間に、武藤は5試合で起用(3試合先発、2試合途中出場)されるなど重宝された。
武藤の特長をよく知るアーノルド監督はそれだけに、シドニーの選手たちに浦和の背番号「9」を警戒すべきだと伝えていたと言う。
「私は仙台時代の武藤を見ているのでプレーをよく知っている。その後、移籍してからの活躍についても知っていた。だから今日の彼のプレーを、むしろ誇りに思っている。
シドニーの選手たちには、『(武藤は)動きが俊敏で、特にボックス(ペナルティエリア)に入ってからのレスポンスが早く、ゴールに対する嗅覚も鋭い。非常に危険な存在になる』と伝えていたのだが……まんまと決められてしまった」
先制点が決まったのは、開始8分だった。
シドニーの守備的な5-4-1布陣に対し、浦和は今季取り組んでいる高い位置からプレッシャーを掛ける“ミシャプレス”(ハイプレッシャー)が効果を発揮。右サイドでボールを奪うと、その流れから梅崎がクロスを放つ。すると相手マーカーの足に当たったボールが、ズラタンをブロックしていたDFとGKの間にこぼれ……、そこに、すかさず飛び込んだのが、武藤だった。
「『(シドニーの)DFはボールを流して、後ろのGKに任せるだろうな』と思ったら、その通りにボールがこぼれて来た」
そう語る武藤がGKの位置を見切り、冷静にシュートを流し込む。待望の先制ゴール――。浦和の2016シーズンの幕開けを告げる“号砲”が、約2万人のサポーターの歓声とともに轟いた瞬間だった。
様々な“意味”を持つ1点だった。
武藤にとっては、浦和のエースナンバーである新背番号9を新たにつけたプレッシャーを、この大事な一戦でまずはね退けたこと。チームにとっては、ペトロヴィッチ監督の下で過去2回のACL初戦で敗れていた悪い流れを断ち切り、先制点を奪えて、勝点3を奪えこと。そして、高い位置からプレスをかける新戦術がハマって得点に結び付いたこと――。大きくこの3つが収穫に挙げられそうだ。
武藤は胸を撫で下ろすとともに、気持ちを引き締めた。