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【指揮官コラム】カターレ富山監督 三浦泰年の『情熱地泰』|雪国の生活には想像力が必要だ

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェスト編集部

2016年02月25日

冬の生活には日々の工夫やリスクマネジメントが必要になる。

約9か月を過ごしたタイでは、翌日の天気の心配などはほとんどしなくても良かった。冬の富山では、そうはいかないものだ。(C) SOCCER DIGEST

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 サッカーは「なにが起こるか分からない」スポーツの代表格と言っていいだろう。
 
 過去には日本だけでなく、世界各国がいろんな経験をしている。
 
 もちろん日本は93年のドーハで。ブラジルは1950年の最初のブラジル・ワールドカップで、決勝でウルグアイに敗れ、マラカナンの悲劇と国民は涙した。
 
 そして、2014年の二度目のブラジル大会ではドイツ代表に1-7という大敗を喫し、自国開催での屈辱を味わった。
 
 いったい誰がこうした出来事を想像できたであろう。だが、それがサッカーだ。
 
 だからタイで生活をしてみて感じたことがあった。やはりサッカーは四季のある国の方が強いと……。四季が人を強くするからだ。もちろん、これは単純に暑い国が弱いという意味ではない。
 
 例えばブラジルは、アメリカ同様に広大な国土を持つ国だが、暑い土地もあれば、寒い土地がある(四季があるのと同じだ)。当然、暑いところから寒いところへ移動すれば、現地でなにが必要になるのか、どんな服装をすればいいのか、自ずと想像力を働かせることになるだろう。タイやハワイなど1年中温暖な気候の国では、こうした想像をすることはまずないだろう。
 
 富山のようにめまぐるしく天気が変わる冬の雪国はなおさら想像力が必要で、辛抱強く耐え凌ぐばかりでなく、生活を工夫し、リスクをマネージメントする。
 
 雪が降りそうな日は寝る前になにをして寝るか? 雪かきの時間も頭に入れて起きる。車を駐車場から出す時間を計算する。きっとタイの人は考えたこともないだろう。
 
 東欧のある監督が言っていた。毎日、どう生きるべきか工夫して生活していると。だから東欧のサッカーには魅力のあるサッカーが生まれる。東欧の指導者の発想は斬新で、工夫がある。
 
 富山にも可能性はある。天気が変わりやすいように我々も変幻自在にサッカーができるようになれば良い。
 
 良いサッカーをしたいが、90分間を通して、1シーズンを通して、良い時ばかりではない。それがサッカーだ。そんな時に耐え凌ぎ、リスクに対応できるチームでなければならない。
 
 富山は、そういうチーム作りが可能なクラブ、地域である。それが北陸、北信越クラブのストロングと言える部分になるのかもしれない。
 
 第3クールに突入してからの2週間。大事な時間を日々、工夫しながら生活している。
 
 今日2月24日は富山で練習試合。朝から雲が多く、立山連峰も見えない。天気予報は曇りのち雪……だ。
 
2016年2月24日
三浦泰年
 
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