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「スペイン代表入りは彼女のコネ」バッシングの標的にされたフェラン・トーレス。「人生で一番辛かった」どん底からいかにして這い上ったのか【現地発】

カテゴリ:連載・コラム

エル・パイス紙

2023年10月25日

「サメのようなメンタリティを持っている」

 昨シーズンは公式戦45試合に出場し7ゴールどまり。フロントは放出を望んだが、トーレスは断固として拒否した。シャビと話し合った際には、「必ず本来の自分の姿に戻る」と約束した。

 その際に心がけたのが周囲の雑音をシャットアウトすることだった。「情報を見ない。何ももたらすことはないからね。過去の経験から、それが一番の方法だという結論に達したんだ。だから今自分がどう評価されているかも分からない。ショーの一部にされたくはない」とフェランはその真意を明かす。

 今シーズンにかける意気込みの高さは「今の僕のメンタルは闘牛のようにタフだ。誰も僕を倒すことはできないだろう」という言葉にも表れていた。
 
 そのうちエリク・ガルシア(その後、ジローナに移籍)、ガビ、ペドリ、マルコス・アロンソら仲の良いチームメイトの間で、「サメのようなメンタリティを持っていると胸を張っていたよ」と比較対象が変わり、最初は冗談だったのが、バルセロナの選手たちの間で作っているWhatsAppグループに、サメの絵文字が頻繁に登場するようになった。

「フェラン本人がイメージを強化した。サメの絵文字は、彼の競争心を擬人化したものだ」と前出の関係者は語る。

 さらに自らを奮い立たせるために、背中の上部に「挑戦し、失敗し、立ち上がる」というメッセージと翼をあしらったデザインのタトゥーを入れた。

 フェラン・トーレスは試練を乗り越えた。生まれ変わったサメは、WhatsAppのグループだけでなく、バルサとスペイン代表のシャツの中にも存在する。

文●ファン・I・イリゴジェン(エル・パイス紙バルセロナ番)
翻訳●下村正幸

※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙のコラム・記事・インタビューを翻訳配信しています。

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