センターラインの4選手が出色の出来
この日、日本が安定したパフォーマンスを見せることができた理由はふたつある。
ひとつ目は、攻守の切り替えがスピーディーだった点。敵陣でボールを失っても、すぐに古橋、伊東、久保建英ら攻撃陣がプレッシャーをかけ続けた。それによってチュニジアの攻撃の選択肢を削り、ボールの即時奪回に成功。日本の高強度なプレスが時間90分間変わらないのだから、相手からすれば、引いて守っても効果的なカウンターを発動できなかったのは当然だろう。
ふたつ目はボランチの遠藤航と守田英正、CBの冨安健洋と板倉滉の4人が、盤石なブロックを形成していた点だ。
チュニジアの攻撃陣は、決して対人プレーが弱いわけでない。昨年6月に戦った際は局面でのマッチアップで競り負け、日本の最終ラインがズルズルと後退し、失点を許した。しかし、今回は課題を解消。前回のようにチュニジアがボールをつなごうにも一向に活路を見出せなかったのは、遠藤、守田、冨安、板倉が球際で強さを見せたからだ。守備対応もビルドアップもまったく焦ることなく、好連係を見せていた。したがって、採点もこの4人を最高評価としている。
攻守のスピーディーな切り替えができて、中央の4枚が揃っていれば、日本は安定した戦いができる。それを確認できただけでも、良い強化試合だったと言える。内容だけを見れば、4ゴールを奪った直近5試合と比べても、チュニジア戦が今年のベストパフォーマンスだと感じた。
ひとつ目は、攻守の切り替えがスピーディーだった点。敵陣でボールを失っても、すぐに古橋、伊東、久保建英ら攻撃陣がプレッシャーをかけ続けた。それによってチュニジアの攻撃の選択肢を削り、ボールの即時奪回に成功。日本の高強度なプレスが時間90分間変わらないのだから、相手からすれば、引いて守っても効果的なカウンターを発動できなかったのは当然だろう。
ふたつ目はボランチの遠藤航と守田英正、CBの冨安健洋と板倉滉の4人が、盤石なブロックを形成していた点だ。
チュニジアの攻撃陣は、決して対人プレーが弱いわけでない。昨年6月に戦った際は局面でのマッチアップで競り負け、日本の最終ラインがズルズルと後退し、失点を許した。しかし、今回は課題を解消。前回のようにチュニジアがボールをつなごうにも一向に活路を見出せなかったのは、遠藤、守田、冨安、板倉が球際で強さを見せたからだ。守備対応もビルドアップもまったく焦ることなく、好連係を見せていた。したがって、採点もこの4人を最高評価としている。
攻守のスピーディーな切り替えができて、中央の4枚が揃っていれば、日本は安定した戦いができる。それを確認できただけでも、良い強化試合だったと言える。内容だけを見れば、4ゴールを奪った直近5試合と比べても、チュニジア戦が今年のベストパフォーマンスだと感じた。
先述の遠藤、守田、冨安、板倉のパフォーマンスをボーダーラインにすれば、日本はもっと良いチームになれるはずだが、まだそのレベルに達していない選手がいるのも確かだ。そのレベルを求めるのは酷なのかもしれないが、W杯でベスト8を目指すのであれば、他の選手にも高いクオリティを求める必要がある。
チュニジア戦でいえば、FWとSBの2ポジションは、そのレベルに達していないように見えた。
GKのポジションも人材不足だったが、この日代表デビューを果たした鈴木彩艶のスケールの違いには、やはり将来性を感じる。
FWでは、古橋が本拠地でゴールを奪い、上田綺世も鋭い動き出しで久保のパスを引き出していた。しかし、どちらもエースと言える存在感はまだ感じない。エースとしての風格で言えば、相手の脅威になり続けた久保や伊東のほうが上だった。
SBはさらに深刻だ。右に菅原由勢、左に中山雄太が奮闘したものの、ポジショニングや周囲との連係でルーズさを感じた。SBの守備力がもっと高まれば、日本はもっと盤石な試合運びができるはずだ。今後の彼らの成長に期待したい。
【著者プロフィール】
本田泰人(ほんだ・やすと)/1969年6月25日生まれ、福岡県出身。帝京高―本田技研―鹿島。日本代表29試合・1得点。J1通算328試合・4得点。現役時代は鹿島のキャプテンを務め、強烈なリーダーシップとハードなプレースタイルで“常勝軍団”の礎を築く。2000年の三冠など多くのタイトル獲得に貢献した。2006年の引退後は、解説者や指導者として幅広く活動中。スポーツ振興団体『FOOT FIELD JAPAN』代表。
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【著者プロフィール】
本田泰人(ほんだ・やすと)/1969年6月25日生まれ、福岡県出身。帝京高―本田技研―鹿島。日本代表29試合・1得点。J1通算328試合・4得点。現役時代は鹿島のキャプテンを務め、強烈なリーダーシップとハードなプレースタイルで“常勝軍団”の礎を築く。2000年の三冠など多くのタイトル獲得に貢献した。2006年の引退後は、解説者や指導者として幅広く活動中。スポーツ振興団体『FOOT FIELD JAPAN』代表。
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