ホーイドンクも驚きを隠せない。「ドンピシャだぞ。信じられるか?」
稀代のファンタジスタは、その人間性が魅力で、コミュニケーション能力もずば抜けていた。浦和時代に小野のひとつ年下だった後輩は、次のように証言している。
「シンジさんは自分からガツガツ行くタイプじゃない。でも飛び込んだら100パーで受け入れてくれる、ものすごい懐の深さがあるんですよ。サッカーボールを蹴ればみんな仲間。年上も年下もない。みんな大好きですよ、シンジさんのことが」
黄金世代が集ったU-20日本代表でも、どんなチームに居ても、小野を中心とした大きな輪が形成されていった。まさしく、仲間を光で照らす太陽のような存在。過去を紐解いても小野に関してあれこれ揶揄する者などひとりもいなかったし、逆に、小野が誰かに対して悪く言うのも記憶にない。そういうことなのだ。
2001年夏、フェイエノールトに入団した小野を追いかけてオランダのロッテルダムに赴いた。現地のベテラン記者は「オノは凄いやつだな。入団してまだ数日しか経ってないのにもうチームの中心にいるよ。言葉はほとんど話せないけど、彼にとっては大した問題じゃないんだろう。誰よりも(サッカーが)上手いし、みんな彼と話したがっているよ」と目を丸くしていた。
加えて、当時オランダ代表だったFWのピエール・ファン・ホーイドンクも小野に惚れ込んでいた。「走り出したらピタっとボールが出てくるんだ。クロスも俺の頭にドンピシャ。信じられるか?」と驚きを口にする始末だ。
「シンジさんは自分からガツガツ行くタイプじゃない。でも飛び込んだら100パーで受け入れてくれる、ものすごい懐の深さがあるんですよ。サッカーボールを蹴ればみんな仲間。年上も年下もない。みんな大好きですよ、シンジさんのことが」
黄金世代が集ったU-20日本代表でも、どんなチームに居ても、小野を中心とした大きな輪が形成されていった。まさしく、仲間を光で照らす太陽のような存在。過去を紐解いても小野に関してあれこれ揶揄する者などひとりもいなかったし、逆に、小野が誰かに対して悪く言うのも記憶にない。そういうことなのだ。
2001年夏、フェイエノールトに入団した小野を追いかけてオランダのロッテルダムに赴いた。現地のベテラン記者は「オノは凄いやつだな。入団してまだ数日しか経ってないのにもうチームの中心にいるよ。言葉はほとんど話せないけど、彼にとっては大した問題じゃないんだろう。誰よりも(サッカーが)上手いし、みんな彼と話したがっているよ」と目を丸くしていた。
加えて、当時オランダ代表だったFWのピエール・ファン・ホーイドンクも小野に惚れ込んでいた。「走り出したらピタっとボールが出てくるんだ。クロスも俺の頭にドンピシャ。信じられるか?」と驚きを口にする始末だ。
小野は当時を振り返り、「サッカーにおいて言葉はいらない。ピッチに立ってなにをしたいのか、監督はなにを求めているのか、仲間がどういうタイプなのか、左利きなのか、そういうのを全部自分のなかで整理する。そこさえ上手く掴んじゃえば、普通にサッカーができるわけですよ。それがなにより大事」と話し、「サッカーが終わったあとのコミュニケーションとかは、まあなんとかなる(笑)。ちゃんとサッカーがやれていればね」とあっけらかんとしていた。
ちょうど日本人選手が次から次へと欧州に乗り出していった時期だ。しかし、定着するのは容易ではなく、出場機会をもらえずに無念の退団や帰国を余儀なくされるケースが相次ぐ。彼らはサッカーセンスもテクニックも十分通用していた。だが決定的に欠落していたのが、チームに溶け込んで自身を理解させるコミュニケーション力。言葉を話せるか話せないかではなく、小野が前面に押し出したポジティブマインドが足りなかったのだ。
現在、欧州で活躍するサムライたちはその重要性をしっかりと認識しているだろう。海外挑戦でチームメイトにもサポーターにも愛された小野は、そうした意味合いでも貴重な成功例であり、開拓者であったように感じる。
【PHOTO】現役引退を発表した小野伸二、波瀾万丈のキャリアを厳選フォトで振り返る 1997~2023
ちょうど日本人選手が次から次へと欧州に乗り出していった時期だ。しかし、定着するのは容易ではなく、出場機会をもらえずに無念の退団や帰国を余儀なくされるケースが相次ぐ。彼らはサッカーセンスもテクニックも十分通用していた。だが決定的に欠落していたのが、チームに溶け込んで自身を理解させるコミュニケーション力。言葉を話せるか話せないかではなく、小野が前面に押し出したポジティブマインドが足りなかったのだ。
現在、欧州で活躍するサムライたちはその重要性をしっかりと認識しているだろう。海外挑戦でチームメイトにもサポーターにも愛された小野は、そうした意味合いでも貴重な成功例であり、開拓者であったように感じる。
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