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流浪のフットボーラー金崎夢生。「1回経験したらもういいかな」。生粋の飽き性は父親との約束を守り、新たな自分を追い求め続ける

カテゴリ:Jリーグ

元川悦子

2023年08月27日

「40までやれ」「分かった」

金崎夢生(かなざき・むう)89年2月16日生、三重県出身。大分、名古屋、鹿島、鳥栖で活躍。欧州ではニュルンベルク、ポルティモネンセでプレー。現所属の琉球ではボランチにトライ。写真提供:FC琉球

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「人生って波があって当然だし、上手くいかないことも多いかもしれないけど、何事もやってみないと分からない。僕はやっぱり『変わりたい派』なんですよね(苦笑)。

 小さい頃からサッカーをやってきて、プロになって17年が経ったんで、よくいろんな人に『ずっと同じことを続けていて凄いよね』と言われます。でも、僕の中ではやっている環境も違えば、チームメイトも目ざす方向性も全部変わるので、だからこそ飽きずにやれているんだと思うんです。

 飽き性の自分がこれだけできるっていうのは、それだけサッカーが面白いってことだろうし、自分なりに変化し続けていられることが楽しいんですよね。

 今の琉球でボランチにトライする時も、『鹿島であれだけ最前線で点を取っていた』っていうイメージが強くて、そういう見られ方をすることの壁があるなとは感じましたけど、僕はあの時の自分じゃない。今いるメンバーの中で勝とうと思うなら、この役割がベストだと考えたから、ごく普通にトライしているんです」

 そう語る金崎は、彼なりのこだわりを持ちながら、新しいスタイル、新しい自分を追い求め続ける。生粋のチャレンジャーも来年2月には35歳になる。同世代を見回すと、内田篤人、安田理大のように現役に区切りをつけた選手も少なくないが、金崎はまだまだピッチに立ち続け、戦い続ける構えだ。
 
「何年か前、親父から『40までやれ』と言われた時に『分かった』と返事をしちゃったので、それは守らないといけないなと思っています(笑)。

 40歳という年齢までどこでプレーしているかもまったく分かんないけど、今はとにかく琉球の順位を1つでも上げることがすべて。前にも話した通り、来年につながるような内容や基盤を作っていかないといけない。今、やってることが今年で終わらないようにすることがすごく大事なんです。

 いつか琉球が上のカテゴリーに上がった時、しっかり戦えるようなベース作りに自分が関われればいいし、貢献できるように、ここからも一生懸命やっていきます」

 こう話すベテランには、もうひと花もふた花も咲かせてほしいところ。FW、サイドアタッカー、トップ下、ボランチと、どこをやっても高いレベルのパフォーマンスを示してきた金崎が、琉球で再び強烈なインパクトを残す日が早く訪れることを心から祈りたいものである。

※このシリーズ了(全3回)

取材・文●元川悦子(フリーライター)

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