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日本サッカー界の発展に必要なのは? U-20日本代表・冨樫剛一監督が強調する育成年代から世界で戦う重要性【独占インタビュー/後編】

カテゴリ:日本代表

松尾祐希

2023年08月09日

「自分の中ではすごく頭を悩ませた」

磐田の高校3年生FW後藤。今季は開幕からトップチームで結果を残している。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

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 ひとつのポジションしかできない、いわゆるスペシャリストの招集は限られる。ひとりのためにチームの戦い方を捨てることもできない。そして、スケジュールの問題で招集できない選手も多くいた。

 Jクラブの協力を仰ぎながら出場機会が得られていない選手を中心に、4月の平日に1泊2日のショートキャンプを実施したが、出場機会を得ている選手は呼べない。つまり、代表の常連組ではなく、今年に入ってから台頭した選手を試すことがまるでできなかったのだ。そうした苦悩のなかで冨樫監督は最適解を探った。

 最たる例が高校3年生のFW後藤啓介(磐田)だろう。一世代下で次のU-20ワールドカップを目ざす代の選手だが、今季は開幕からトップチームでプレーして結果を残してきた。冨樫監督のチームではほとんどプレーしていなかったが、結果を残している以上は無視できない。しかし、メンバー発表の前日に行なわれた5月3日のJ2第13節の東京V戦で負傷交代を余儀なくされた。

 また、新たな選手だけではなく、これまでチームの屋台骨となってきた選手の状態が上がらなかったのもメンバー選考に大きな影響を与えた。冨樫監督は言う。

「自チームで出ていない選手が多かった。自分の中ではすごく頭を悩ませた」

 それは中野伸哉(鳥栖/今年8月8日にG大阪へ期限付き移籍)もそうで、彼はチーム立ち上げ当初から主力としてプレーし、この世代では唯一U-17ワールドカップを経験している選手でもある。
 
 しかし、そうした事情はほかの国にも大なり小なりある。実際にほかのチームではヨーロッパのシーズン終了後という状況下で呼べない選手がおり、A代表やパリ五輪世代のチームに参加する者はメンバーから漏れた。だからこそ、ほかの選手にとっては大きなチャンスだったが、結果を残せなかった。

 今回の敗戦の責任は自分にあるとしたうえで、冨樫監督は想いを口にする。

「良い結果を残して将来的に日本代表に1人も行けなかったのと、今回負けて3人から5人ぐらいの選手が日本代表に入るのであれば、どっちがいいのか。選手たちがワールドカップで悔しい経験をして、また勝ち上がる経験ができなかったからこそ、上のカテゴリーに行けたという状況になって欲しいです。

 もちろん、優勝したかったです。勝つために何をしないといけないのか。勝つことに拘らないと、育成を考えたら意味がない。負けたので言い方は難しいですが、選手たちが今回のワールドカップに出場したことを無駄にしたくないと話していましたが、言うのは誰でもできる。それをピッチの上で表して勝ち取っていくことは彼らにしかできないので、そこに期待をしたいです」
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