準決勝でハーランドは不発に終わった
着目すべきは、ここにきて監督としての成熟度がますます高まっている点だろう。これまでは大一番で奇策に打って出ることが少なくなかったが、今回は周囲を驚かす采配はなかった。しかしその一方で、常に新たな革新に取り組むフットボールへの情熱は衰え知らずで、試合中にも激しく、表情豊かに選手たちを鼓舞した。
サイドバック兼インサイドハーフの役割をオフ・ザ・ボールとオン・ザ・ボールで使い分けるジョン・ストーンズの動き、アーリング・ハーランドの融合などを観察するだけでも、“ペップ・シティ”の進化の程が伺える。ヨハン・クライフから叩き込まれたポゼッション、ポジショニング、プレッシングに忠実であり続けながら、サイドからの攻撃に厚みを加え、ロドリが君臨するアンカーの役割を昇華させた。
サイドバック兼インサイドハーフの役割をオフ・ザ・ボールとオン・ザ・ボールで使い分けるジョン・ストーンズの動き、アーリング・ハーランドの融合などを観察するだけでも、“ペップ・シティ”の進化の程が伺える。ヨハン・クライフから叩き込まれたポゼッション、ポジショニング、プレッシングに忠実であり続けながら、サイドからの攻撃に厚みを加え、ロドリが君臨するアンカーの役割を昇華させた。
ハーランドはマドリーとの準決勝においてファーストレグに続き、セカンドレグでも不発に終わった。メッシはチームにいない。シティが勝利したのは、金満クラブだからでも、世界最高の選手を擁しているからでもない。グアルディオラが構築した革新的な戦術を選手たちが文字通り体現したからである。
もちろん最高の形で締めくくるには、決勝でインテルを倒さなければならない。グアルディオラが自身3度目のCL制覇を果たした暁には、アンチはもう押し黙るほかないだろう。
文●ラモン・ベサ(エル・パイス紙)
翻訳●下村正幸
※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙のコラム・記事・インタビューを翻訳配信しています。
もちろん最高の形で締めくくるには、決勝でインテルを倒さなければならない。グアルディオラが自身3度目のCL制覇を果たした暁には、アンチはもう押し黙るほかないだろう。
文●ラモン・ベサ(エル・パイス紙)
翻訳●下村正幸
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