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「カウンターでしっかり仕留める」シュツットガルト主将の遠藤航が語るプレーオフ2戦目のゲームプラン【現地発】

カテゴリ:連載・コラム

中野吉之伴

2023年06月05日

開始1分に電光石火の先制点を奪う

第1レグの前半終了時に嫌な感じがしても、焦りはなかったという。(C)Getty Images

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 遠藤の言葉どおり、シュツットガルトは第1レグのキックオフからエンジン全開。遠藤が左サイドに綺麗なロビングパスを通すと、その流れからCKを獲得し、ギリシャ代表のCBコンスタンティノス・マブロパノスが打点の高いヘディングシュートを叩き込んだ。開始1分、まさに電光石火の先制点に、4万7500人で埋まったホームスタジアムが熱狂に包まれる。

 狙い通りの得点――。遠藤は試合後にこう明かしている。

「相手のウィークポイントはセットプレー。そういう分析がありました。良いボールが入ったし、ウチは高さのある選手が多いんで。最初の1分で決められたのも大きかった。セットプレー以外でもチャンスは作れていたので、ゲーム内容的に悪くなかったと思います」

 攻守にゲームをコントロールしていたシュツットガルトは前半、いくつか訪れた追加点のチャンスを物にできなかった。CFセル・ギラシーがGKとの1対1に加え、PKの場面でもネットを揺らせず、決して良くはないムードで前半を終えている。だが、遠藤に焦りは全くなかったようだ。

「もちろん、嫌な感じはしましたけど、1-0で勝っていた。焦らずにというか、チーム全体として、2点目、3点目をしっかり取りに行こうと」
 
 そしてチームは後半に2点を奪い、3-0の完勝を収めた。キレのあるプレーを見せ、その快勝に貢献した遠藤にはホームの初戦で一気に決める。そんな気持ちもあったようだ。

「今日の試合で叩きたかった。それが一番目指していたところ。90分で試合を終わらせるくらいの感じでできれば理想だったので、3-0はすごく良い結果だと思います」

 シュツットガルトが手にしたアドバンテージは大きいが、もちろん残留が確定したわけではない。ハンブルクでの90分がまだ残っている。相手もまだ白旗を振っていない。

 HSVのGKダニエル=ホイアー・フェルナンデスは「サッカーではあらゆることが起こりうる」と話し、主将を務めるDFゼバスティアン・ションラウは「チャンスは大きくないが、だからと言ってなくなったわけではない」とまだまだ闘争モードを解除していない。

 HSVとしては満員に膨れ上がったホームの声援で試合前からプレッシャーをかけ、速い時間帯にゴールを奪い、流れを一気に引き寄せようとするだろう。
 
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