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本気で世界と戦うために、やれることをやったのか。スコア以上に力の差。経験値に全てを集約させるのは違う【U-20W杯総括】

カテゴリ:日本代表

松尾祐希

2023年05月30日

「僕たちはびっくりしてしまった」

冨樫監督は自らの采配を自問自答。「打った手が手助けになったのか…」。(C)Getty Images

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 歩みを振り返れば、経験を重ねてチーム力は高まっていた。実際にU-20アジアカップではグループステージの最終戦でサウジアラビアに2-0で勝利。状況に応じて複数のシステムを使い分けながら、自分たちの力を最大限発揮できる術も見つけたように感じた。

 しかし、それはあくまでアジアの戦いであり、海外遠征で強豪国に善戦したのも親善試合の話。ワールドカップの戦いは別物で、本気モードの相手は凄まじい迫力があった。

「改めてワールドカップで見せる本気は違う。(1年前に対戦した)コロンビアだって、あんなんじゃなかった。 だから、そこがワールドカップの凄さ」(冨樫剛一監督)

 指揮官の想定を上回る迫力が、今大会で対戦したチームにはあった。1年前にコロンビアと対戦した際、冨樫監督は印象をこう語っていた。

「U-20のワールドカップで、もしかしたらグループで一緒になったりするかもしれない」と前置きしつつ、「始まってすぐの時間帯や浮き球の処理など、色んなところでエラーを起こせば、一瞬でやられてしまう」と口にしている。

 一度味わっていたはずだが、それ以上の圧力を前に屈してしまった。

 実際にプレーした選手たちも、同じようなことを痛感したという。全3試合に先発出場したCB田中隼人(柏)の言葉が、その事実を物語る。

「ワールドカップに出てくる相手は、もっとレベルが高かった。親善試合を色々1年間繰り返してきたけど、ワールドカップになると持っている気持ちも違うし、挑んでくるマインドも違う。そういうマインドを全面に押し出してくる相手に対し、引いてしまったし、僕たちはびっくりしてしまった。正直それはある。

 ワールドカップの舞台でそうなってしまったのはまず問題なんですけど、もっともっと全面に気持ちを押し出せれば、チームの雰囲気も違ったはず。その時にしゅんとなってしまったのは反省点」
 
 特に印象的だったのが、最後のイスラエル戦だ。相手は68分に退場者を出して10人になったが、そこからの巻き返しは凄まじかった。気持ちが切れかかっていたが、75分に同点ゴールを奪うと、そこからは数的不利を感じさせない迫力で攻め込んできた。

「勢いが足りなかった」とは松木の言葉。相手に飲み込まれ、最後はアディショナルタイムに逆転を許した。

 もちろん、スタッフの責任もあるのだろう。勝点に導くような解決策を提示できなかったからだ。冨樫監督は試合から2日経っても、自問自答を繰り返している。

「苦しい時に手を打たなければいけないなかで、打った手が手助けになったのか、どうなのか。3試合を毎日ずっと見ながら振り返って、各試合、本当にそれで良かったのか」

 イスラエル戦の最中、同組のコロンビア対セネガルの試合が行なわれている。終盤まで1-0でセネガルがリードする状況だったが、選手たちにはあえて情報を入れておらず、日本は1-1の状況で2点目を目ざして戦っていた。引き分け狙いの戦術を敷いていれば、また違う展開になっていたのかもしれない。

【PHOTO】U-20ワールドカップを戦ったU-20日本代表の選手たち
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