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本気で世界と戦うために、やれることをやったのか。スコア以上に力の差。経験値に全てを集約させるのは違う【U-20W杯総括】

カテゴリ:日本代表

松尾祐希

2023年05月30日

勝利を掴むチャンスは少なからずあった

懸命にチームを引っ張った松木。コロンビア戦のPK失敗が悔やまれる。(C)Getty Images

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 目標は世界一。選手も監督も想いを皆揃って口にしていたが、1年4か月に渡るチャレンジは志半ばで終わりを迎えた。

 コロナ禍の影響で4年ぶりに行なわれたU-20ワールドカップ。3月下旬にインドネシアが開催地を返上し、急遽アルゼンチンで開かれた大会は、日本にとって世界との差を見せつけられる場だった。

 グループステージの3試合を戦い、1勝2敗のグループ3位。初戦こそセネガルに1-0で勝利したものの、2、3戦目は前半に先制しながらも、後半に逆転を許して敗戦を喫した。結果だけを見れば、紙一重だったようにも思える。

 コロンビアとの第2戦(1-2)で終盤にキャプテンのMF松木玖生(FC東京)がPKを成功していれば。イスラエルとの第3戦(1-2)で、退場で10人になった相手から追加点を奪えていれば。2つの失点シーンでオフサイドを取れていれば。

“たられば”は禁句だが、勝利を掴むチャンスは少なからずあった。

 さらに、今大会では24チーム中16チームがノックアウトステージに進める。各グループの上位2か国に加え、3位の上位4か国に入れば、勝ち上がれるレギュレーションだ。最低でも勝点3があれば、生き残る可能性が十分にあった。事実、3位抜けの4チーム中2チームが勝点3。日本は得失点差で及ばなかったが、決して難しいミッションではなかったはずだ。

 今回、日本のグループCで同居したアフリカ王者のセネガル、南米3位のコロンビア、欧州2位のイスラエルはいずれも力がある。誤解を恐れずに言えば、3戦全敗も十分にあり得る組み合わせ。フィジーなど、明らかに力が落ちるチームがいれば、3位で勝ち抜けていたかもしれないが、大会前から簡単な相手ではないのは分かっていた。
 
 覆水盆に返らず。悔やんでも悔やみ切れないのだが、スコア以上に力の差があった事実から目を背けるべきではないだろう。

 代表が発足して456日。過去の先輩たちと比べて、経験値はゼロに等しい。コロナ禍で2021年のU-20とU-17のワールドカップが中止になり、本気の国際舞台を味わっていない。そうした状況を踏まえれば、確かに彼らは国際舞台における逞しさが乏しかったかもしれない。

 昨年2月下旬にチームが立ち上がり、コロナ禍という難しい情勢と戦いながら強化を進めてきた。2度の国内キャンプでは大学生に胸を借り、同年5月に初めて海外遠征を実施。海外に来るのが初の選手もいる状況で、モーリスリベロトーナメント(旧・トゥーロン国際大会)では年上のアルジェリア(1-0)、コモロ(0-0)といったアフリカ勢に引き分けた。

 同世代のコロンビア(1-2)やアルゼンチン(2-3)には1点差で惜しくも敗れたが、海外勢のリーチの長さやパワフルなプレーを実際に体験して現在地を知れた。

“未知との遭遇”を経て、逞しさは確実に増した。同年9月にラオスで行なわれたU-20アジアカップ予選では、悪天候や劣悪なピッチにも負けず、4戦全勝で首位通過。力の差はあったとはいえ、いかなる場面でも動じずに戦い切ったのは成長の証だろう。

 2か月後のスペイン遠征を経て、今年3月に最終予選を兼ねたU-20アジアカップで準決勝に進出。アジアNo1の目標は達成できなかったが、無事にU-20ワールドカップの出場権は手に入れた。

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