1996年――自慢の攻撃を封じられて2度目の世界制覇ならず。
1996年11月、10年ぶりに南米王者に輝き、東京でのクラブ世界一決定戦、トヨタカップに駒を進めたリーベルを待っていたのは、アヤックスとのチャンピオンズ・リーグ(CL)決勝をPK戦の末に制したユベントス。こちらは11年ぶりに大陸制覇だった。
リーベルは、アメリカ・デ・カリとのリベルタドーレス・カップ決勝で2ゴールを決めた新進気鋭のストライカー、エルナン・クレスポが、この年の夏にパルマに引き抜かれていた。
一方のユベントスは、CL制覇時に攻撃を担っていたジャンルカ・ヴィアッリ、ファブリツィオ・ラバネッリ、パウロ・ソウザらが移籍し、代わってアレン・ボクシッチ、ジネディーヌ・ジダンが加入と、チームが大きく変貌を遂げていた。
欧州を席巻したユベントスの強烈なプレッシングにリーベルがどれだけ耐えられるかが注目を集めたが、やはり勢いでは欧州王者が上であり、リーベルは前半、ほとんど攻撃のかたちを作ることができなかった。
中盤の名手エンソ・フランチェスコリ、スーパードリブラーのアリエル・オルテガは徹底的にマークされ、リーベルで目立つのは守備陣、とりわけユベントスのきわどいシュートを、右に左に飛んでセーブするGKヘルマン・ボナーノだった。
それでも後半になると、ユベントスの中盤がややプレスを緩めたことから、リーベルは得意の細かいパスワークでチャンスを作れるようになる。
互角とは言えないまでも、ややリーベルが押し返した状態のままで時間は進み、延長戦の可能性も人々の脳裏をよぎった81分、ジダンが蹴ったCKから、逆サイドでボールを得たアレッサンドロ・デル・ピエロが鋭い反転からのシュートでゴールネットを揺らし、ユベントスがリードを奪った。
リーベルは残り時間でユベントスの盤石の守備を崩すことができず、インターコンチネンタル・カップは欧州に渡った。
無念の敗戦後、Jリーグ初代得点王でもあるラモン・ディアス監督は「来年、ここに戻って来る」と宣言したが、次の世界一挑戦までには、実に19年もの年月を要することとなった。
ちなみにこの試合、弱冠20歳のマルセロ・ガジャルドはメンバー入りこそしたものの、出番はなし。監督として決戦に臨む今回、19年前の雪辱を果たすことができるだろうか。
【写真で振り返る】96年トヨタカップ
◎1996年トヨタカップ
96年11月26日・国立競技場
リーベル・プレート 0-1 ユベントス
得点:デル・ピエロ(81分)
◇リーベル
出場メンバー:GKボナーノ、DF H・ディアス、アジャラ、ベリッソ、ソリン、MFモンセラー、アストラーダ、ベルティ(74分ガンセド)、フランチェスコリ、FWオルテガ、クルス(83分サラス)
サブ:GKブルゴス、DFリバローラ、エスクデロ、MFガジャルド、FWメディナベージョ
監督:R・ディアス
◇ユベントス
出場メンバー:GKペルッツィ、DFトリチェッリ、フェラーラ、モンテーロ、ポッリーニ、MFディ・リービオ、デシャン、ジダン(90分タッキナルディ)、ユーゴビッチ、FWデル・ピエロ、ボクシッチ
サブ:GKランプッラ、DFユリアーノ、MFロンバルド、アメトラーノ、FWパドバーノ、ヴィエリ
監督:リッピ
リーベルは、アメリカ・デ・カリとのリベルタドーレス・カップ決勝で2ゴールを決めた新進気鋭のストライカー、エルナン・クレスポが、この年の夏にパルマに引き抜かれていた。
一方のユベントスは、CL制覇時に攻撃を担っていたジャンルカ・ヴィアッリ、ファブリツィオ・ラバネッリ、パウロ・ソウザらが移籍し、代わってアレン・ボクシッチ、ジネディーヌ・ジダンが加入と、チームが大きく変貌を遂げていた。
欧州を席巻したユベントスの強烈なプレッシングにリーベルがどれだけ耐えられるかが注目を集めたが、やはり勢いでは欧州王者が上であり、リーベルは前半、ほとんど攻撃のかたちを作ることができなかった。
中盤の名手エンソ・フランチェスコリ、スーパードリブラーのアリエル・オルテガは徹底的にマークされ、リーベルで目立つのは守備陣、とりわけユベントスのきわどいシュートを、右に左に飛んでセーブするGKヘルマン・ボナーノだった。
それでも後半になると、ユベントスの中盤がややプレスを緩めたことから、リーベルは得意の細かいパスワークでチャンスを作れるようになる。
互角とは言えないまでも、ややリーベルが押し返した状態のままで時間は進み、延長戦の可能性も人々の脳裏をよぎった81分、ジダンが蹴ったCKから、逆サイドでボールを得たアレッサンドロ・デル・ピエロが鋭い反転からのシュートでゴールネットを揺らし、ユベントスがリードを奪った。
リーベルは残り時間でユベントスの盤石の守備を崩すことができず、インターコンチネンタル・カップは欧州に渡った。
無念の敗戦後、Jリーグ初代得点王でもあるラモン・ディアス監督は「来年、ここに戻って来る」と宣言したが、次の世界一挑戦までには、実に19年もの年月を要することとなった。
ちなみにこの試合、弱冠20歳のマルセロ・ガジャルドはメンバー入りこそしたものの、出番はなし。監督として決戦に臨む今回、19年前の雪辱を果たすことができるだろうか。
【写真で振り返る】96年トヨタカップ
◎1996年トヨタカップ
96年11月26日・国立競技場
リーベル・プレート 0-1 ユベントス
得点:デル・ピエロ(81分)
◇リーベル
出場メンバー:GKボナーノ、DF H・ディアス、アジャラ、ベリッソ、ソリン、MFモンセラー、アストラーダ、ベルティ(74分ガンセド)、フランチェスコリ、FWオルテガ、クルス(83分サラス)
サブ:GKブルゴス、DFリバローラ、エスクデロ、MFガジャルド、FWメディナベージョ
監督:R・ディアス
◇ユベントス
出場メンバー:GKペルッツィ、DFトリチェッリ、フェラーラ、モンテーロ、ポッリーニ、MFディ・リービオ、デシャン、ジダン(90分タッキナルディ)、ユーゴビッチ、FWデル・ピエロ、ボクシッチ
サブ:GKランプッラ、DFユリアーノ、MFロンバルド、アメトラーノ、FWパドバーノ、ヴィエリ
監督:リッピ