リーガ連覇&14年ぶりの欧州制覇! 無敵のバルサが誕生した。

ただやみくもに攻めるだけでなく、試合巧者ぶりも見せて各国の強敵を倒していったバルサは、ついに2度目の欧州制覇を達成した。 (C) Getty Images

26ゴールでリーガ得点王に輝いたエトー。アフリカネーションズ・カップで1か月もチームを離脱しながらのタイトル獲得だった。 (C) Getty Images
前シーズン、スペクタクルなサッカーで6シーズンぶりのリーガ制覇を果たしたバルサ。クラブ一丸となって改革に取り組み、2年目にして成果は表われた。
迎えた2005-06シーズン、目標はリーガ連覇、そして1991-92シーズン以来2度目のチャンピオンズ・リーグ(CL)優勝だ。
戦いを前に、バルサが新たに補充した即戦力は、中盤のマルク・ファン・ボンメルとFWサンティアゴ・エスケーロの2人だけ。いかに昨シーズン来の現有戦力が充実しているかが、ここからも窺い知れた。
前哨戦となるスーペルコパで難敵ベティスを一蹴したバルサは、全く死角の見当たらない優勝候補筆頭としてリーガに臨んだが、アラベスとの開幕戦は引き分け、3節のアトレティコ・マドリー戦で早くも黒星を喫するなど、序盤はややもたついた。
しかし8節からは驚異の14連勝と、前評判通りの強さを発揮して首位を疾走。途中、中盤の大黒柱であるシャビが全治6か月の重傷を負い、さらに終盤戦になると次々に主力選手が離脱したが、チーム全体に戦術が浸透していたため、誰が代わりに出てもチームの安定感は保たれた。
決してスペクタクル一辺倒ではなく、守るべき時にはしっかり守るという状況判断も的確だったのは、リーガだけでなく、あらゆるコンペティションに勝てるチーム作りをバルサが目指していたからだ。
一部メディアから「面白味がなくなった」と非難されながらも、“勝つチーム”となったバルサは、CLでも勝利を重ねていった。
グループステージではブレーメン、ウディネーゼ、パナシナイコスとのグループを5勝1分けで勝ち抜き、トーナメントではチェルシー(昨シーズンの雪辱)、ベンフィカ、ミランを次々に撃破して、93-94シーズン以来となる決勝戦へ駒を進めた。
アーセナルとのファイナルは、18分にサミュエル・エトーが相手GKイェンス・レーマンのファウル(→一発退場)を誘い、バルサに数的有利をもたらす。しかし先制点を挙げたのは、攻撃に晒されていたアーセナルの方だった。
もっとも、攻撃力では圧倒的にバルサの方が上である。焦らず、いつも通りの分厚い攻撃を仕掛けた結果、後半31分にエトーの同点ゴールが決まり、試合終了まで10分を切ったところでベレッチによる決勝点がもたらされた。
チームが熟成の時を迎えたバルサは、文句なしの強さで欲しかった2つのタイトルを手にした。
ロナウジーニョらスター選手たちは昨シーズン以上の働きを見せ、カンテラ出身の選手たちはさらに成長、なかでも2年目のリオネル・メッシはワールドユースで得点王&MVPを受賞する活躍でアルゼンチンを優勝に導いた余勢を駆り、6得点を記録して早くもバルサでその地位を確立しつつあった。
黄金時代は当分続く――。これはバルセロニスタの願望などではなく、誰もがそう思わざるをえないほどに、バルサは充実していた。
迎えた2005-06シーズン、目標はリーガ連覇、そして1991-92シーズン以来2度目のチャンピオンズ・リーグ(CL)優勝だ。
戦いを前に、バルサが新たに補充した即戦力は、中盤のマルク・ファン・ボンメルとFWサンティアゴ・エスケーロの2人だけ。いかに昨シーズン来の現有戦力が充実しているかが、ここからも窺い知れた。
前哨戦となるスーペルコパで難敵ベティスを一蹴したバルサは、全く死角の見当たらない優勝候補筆頭としてリーガに臨んだが、アラベスとの開幕戦は引き分け、3節のアトレティコ・マドリー戦で早くも黒星を喫するなど、序盤はややもたついた。
しかし8節からは驚異の14連勝と、前評判通りの強さを発揮して首位を疾走。途中、中盤の大黒柱であるシャビが全治6か月の重傷を負い、さらに終盤戦になると次々に主力選手が離脱したが、チーム全体に戦術が浸透していたため、誰が代わりに出てもチームの安定感は保たれた。
決してスペクタクル一辺倒ではなく、守るべき時にはしっかり守るという状況判断も的確だったのは、リーガだけでなく、あらゆるコンペティションに勝てるチーム作りをバルサが目指していたからだ。
一部メディアから「面白味がなくなった」と非難されながらも、“勝つチーム”となったバルサは、CLでも勝利を重ねていった。
グループステージではブレーメン、ウディネーゼ、パナシナイコスとのグループを5勝1分けで勝ち抜き、トーナメントではチェルシー(昨シーズンの雪辱)、ベンフィカ、ミランを次々に撃破して、93-94シーズン以来となる決勝戦へ駒を進めた。
アーセナルとのファイナルは、18分にサミュエル・エトーが相手GKイェンス・レーマンのファウル(→一発退場)を誘い、バルサに数的有利をもたらす。しかし先制点を挙げたのは、攻撃に晒されていたアーセナルの方だった。
もっとも、攻撃力では圧倒的にバルサの方が上である。焦らず、いつも通りの分厚い攻撃を仕掛けた結果、後半31分にエトーの同点ゴールが決まり、試合終了まで10分を切ったところでベレッチによる決勝点がもたらされた。
チームが熟成の時を迎えたバルサは、文句なしの強さで欲しかった2つのタイトルを手にした。
ロナウジーニョらスター選手たちは昨シーズン以上の働きを見せ、カンテラ出身の選手たちはさらに成長、なかでも2年目のリオネル・メッシはワールドユースで得点王&MVPを受賞する活躍でアルゼンチンを優勝に導いた余勢を駆り、6得点を記録して早くもバルサでその地位を確立しつつあった。
黄金時代は当分続く――。これはバルセロニスタの願望などではなく、誰もがそう思わざるをえないほどに、バルサは充実していた。

監督:フランク・ライカールト(オランダ)
その他の主なプレーヤー:GK ジョルケラ、DF ベレッチ、ファン・ブロンクホルスト、ロドリ、MF ファン・ボンメル、イニエスタ、モッタ、ガブリ、FW ジュリ、ラーション、エスケーロ、M・ロペス

CL決勝トーナメント1回戦のチェルシー戦。メッシへのファウルでアシエル・デル・オルノが退場になると、チェルシーのジョゼ・モウリーニョ監督は「メッシは神童だ。ありもしないファウルで敵をピッチから追い出すことができるのだから」と皮肉った。この頃の両チームのライバル意識は凄まじく、選手間での挑発合戦も活発だった。 (C) Getty Images
◎2005-06シーズン成績
リーガ:優勝(25勝7分け5敗・79得点32失点)
国王杯:準々決勝敗退(対サラゴサ)
チャンピオンズ・リーグ:優勝(対アーセナル)
チーム内得点ランキング(リーガ):エトー(26点)、ロナウジーニョ(18点)、ラーション(10点)、ジュリ(6点)、メッシ(6点)、デコ(3点)、エスケーロ(2点)、ファン・ボンメル(2点)、シルビーニョ(2点)、モッタ(1点)、プジョール(1点)
◎主なトランスファー
◇IN
夏
MF ファン・ボンメル(←PSV)
MF リュドビク(←ユースから昇格)
FW エスケーロ(←アスレティック・ビルバオ)
◇OUT
夏
DF F・ナバーロ(→マジョルカ)
MF ジェラール(→モナコ)
MF アルベルティーニ(→引退)
リーガ:優勝(25勝7分け5敗・79得点32失点)
国王杯:準々決勝敗退(対サラゴサ)
チャンピオンズ・リーグ:優勝(対アーセナル)
チーム内得点ランキング(リーガ):エトー(26点)、ロナウジーニョ(18点)、ラーション(10点)、ジュリ(6点)、メッシ(6点)、デコ(3点)、エスケーロ(2点)、ファン・ボンメル(2点)、シルビーニョ(2点)、モッタ(1点)、プジョール(1点)
◎主なトランスファー
◇IN
夏
MF ファン・ボンメル(←PSV)
MF リュドビク(←ユースから昇格)
FW エスケーロ(←アスレティック・ビルバオ)
◇OUT
夏
DF F・ナバーロ(→マジョルカ)
MF ジェラール(→モナコ)
MF アルベルティーニ(→引退)