プロジェクト立ち上げの一人である白石氏の職を解く
小野寛幸氏がCEOを務めるACAフットボール・パートナーズ(シンガポール。以下ACAFP)がデインズの買収を発表したのは2022年2月のこと。現地での経営を飯塚CSOが担い、白石尚久氏がフットボールのストラテジーを構築する三位一体の体制を作った。
5月には白石氏の監督就任が発表され、日本人指揮官が22-23シーズンのデインズを率いることになった。この日本人主導の新体制に「これからどうなるんだろう」と不安に思う選手が多くいたという。中にはクラブを去る決心をした主力選手もいた。そして開幕からデインズの成績は振るわず、9月にはこのプロジェクト立ち上げの一人である白石氏の職を解くという辛い決断を下さなければならなかった。
しかし、10月下旬にベルギー人ベテラン指導者のマーク・グロジャン氏が監督に就くと、デインズは4勝1分けの好成績で6位に浮上するV字回復を見せた。ベルギーカップ6回戦では1部リーグのオイペンに3-0で圧勝し、2部クラブで唯一のベスト16に進出。11月の公式戦を無敗で終えた。
「グロジャン監督はセランを昇格させたりした実績のある経験豊富な方で、1部リーグで采配したこともありますが、どちらかというと2部リーグで手腕を振るう、ベルギーでは有名な監督です。とてもオープンマインドで、我々みたいなアジア資本のクラブで様々な人種の選手がいる中、隔たり無くオープンに接してくれますし、しっかりチームの規律を作ることの出来る監督です」
5月には白石氏の監督就任が発表され、日本人指揮官が22-23シーズンのデインズを率いることになった。この日本人主導の新体制に「これからどうなるんだろう」と不安に思う選手が多くいたという。中にはクラブを去る決心をした主力選手もいた。そして開幕からデインズの成績は振るわず、9月にはこのプロジェクト立ち上げの一人である白石氏の職を解くという辛い決断を下さなければならなかった。
しかし、10月下旬にベルギー人ベテラン指導者のマーク・グロジャン氏が監督に就くと、デインズは4勝1分けの好成績で6位に浮上するV字回復を見せた。ベルギーカップ6回戦では1部リーグのオイペンに3-0で圧勝し、2部クラブで唯一のベスト16に進出。11月の公式戦を無敗で終えた。
「グロジャン監督はセランを昇格させたりした実績のある経験豊富な方で、1部リーグで采配したこともありますが、どちらかというと2部リーグで手腕を振るう、ベルギーでは有名な監督です。とてもオープンマインドで、我々みたいなアジア資本のクラブで様々な人種の選手がいる中、隔たり無くオープンに接してくれますし、しっかりチームの規律を作ることの出来る監督です」
グロジャン就任直後の昨秋、デインズが立ち直った背景には何があったのだろうか?
「グロジャン監督が、選手たちのポテンシャルやモチベーションをちゃんと引き出したというイメージですね。私たちが揃えた選手たちは4位以上を争えるくらいの質を持っており、最下位だったのはおかしなことでした。グロジャン監督が就任してからトレーニングのインテンシティ、ストレングスの数値などが劇的に向上しました」
戦術的には守備時には4-4-2にし、押し込まれたらローブロックを敷いて、スピードのあるウインガーを起点に高速カウンターから巻き返す。ポゼッション時には4-3-3の基本陣形から崩し、サイドバックのオーバーラップで攻撃に厚みを作る――。こうしたことを、リーグ戦を戦いながらグロジャン監督は構築し、チームとしての練度を上げていったのだという。
このような過程でチームに落ち着きが戻り、冬の移籍市場では「チームに不安を持ってクラブNXT(クラブ・ブルージュのリザーブチーム)に移籍したFWレナート・メルテンスが、うちの得点力不足の解消のために戻ってきてくれた」(飯塚CSO)という朗報もあった。
「グロジャン監督が、選手たちのポテンシャルやモチベーションをちゃんと引き出したというイメージですね。私たちが揃えた選手たちは4位以上を争えるくらいの質を持っており、最下位だったのはおかしなことでした。グロジャン監督が就任してからトレーニングのインテンシティ、ストレングスの数値などが劇的に向上しました」
戦術的には守備時には4-4-2にし、押し込まれたらローブロックを敷いて、スピードのあるウインガーを起点に高速カウンターから巻き返す。ポゼッション時には4-3-3の基本陣形から崩し、サイドバックのオーバーラップで攻撃に厚みを作る――。こうしたことを、リーグ戦を戦いながらグロジャン監督は構築し、チームとしての練度を上げていったのだという。
このような過程でチームに落ち着きが戻り、冬の移籍市場では「チームに不安を持ってクラブNXT(クラブ・ブルージュのリザーブチーム)に移籍したFWレナート・メルテンスが、うちの得点力不足の解消のために戻ってきてくれた」(飯塚CSO)という朗報もあった。