今季のベースを保ったうえで得点力向上を目指すのがベストか。
攻撃こそ美学だったポポヴィッチ監督から、守備こそ美学のフィッカデンティ監督に代わって、チームは少なからず混乱した。
先に述べたように、フィッカデンティ監督の就任1年目(14シーズン)は、13シーズンよりひとつ低い9位だったのだ。仮に来季、誰が監督になるにしても、守備偏重から攻撃重視への“変革”に着手するなら──。改めてチームを土台から作り直す必要に迫られ、“中位”に終わる可能性は考えられる。
ポポヴィッチ監督時代(13シーズンの61ゴール)より得点が減ったから、改めて攻撃的なチームにして戦おうという考え方は安易に映る。攻守一体のサッカーにおいて重要なのはバランスだ。今季のFC東京は守備寄りのチームだったが、最後までチャンピオンシップの出場権を争っていた点を踏まえれば、戦術面を大きくいじる必要はないだろう。
確かに前田が得点源になりきれず、サンダサとN・バーンズが期待に応えられなかった攻撃陣は強化したい。しかし客観的に見て、守備を無視してまでというやり方はほぼ無意味だろう。今季のベースを保ったうえで得点力向上を目指すのがベストか。
攻撃重視へ180度舵を切った場合、待っているのは後退かもしれない。
文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
先に述べたように、フィッカデンティ監督の就任1年目(14シーズン)は、13シーズンよりひとつ低い9位だったのだ。仮に来季、誰が監督になるにしても、守備偏重から攻撃重視への“変革”に着手するなら──。改めてチームを土台から作り直す必要に迫られ、“中位”に終わる可能性は考えられる。
ポポヴィッチ監督時代(13シーズンの61ゴール)より得点が減ったから、改めて攻撃的なチームにして戦おうという考え方は安易に映る。攻守一体のサッカーにおいて重要なのはバランスだ。今季のFC東京は守備寄りのチームだったが、最後までチャンピオンシップの出場権を争っていた点を踏まえれば、戦術面を大きくいじる必要はないだろう。
確かに前田が得点源になりきれず、サンダサとN・バーンズが期待に応えられなかった攻撃陣は強化したい。しかし客観的に見て、守備を無視してまでというやり方はほぼ無意味だろう。今季のベースを保ったうえで得点力向上を目指すのがベストか。
攻撃重視へ180度舵を切った場合、待っているのは後退かもしれない。
文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)