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【FC東京】結果にこだわりながら結果を残せず失望のシーズンに。“地獄のセレモニー”を経て、絶望から這い上がれるか

カテゴリ:Jリーグ

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2015年11月23日

“地獄のセレモニー”を経て成長できるか。

ホーム最終戦セレモニーのひとコマ。選手たちはなにを思ったか。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト編集部)

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 FC東京の勝点更新より記憶に残るのは、第1ステージを制した浦和や第2ステージを勢いよく駆け抜けた広島の戦いぶり、ナビスコカップを制した鹿島の勝負強さだ。大宮や磐田のJ1昇格よりも、ニュースとして話題にならないだろう。
 
 勝点更新などの結果は、タイトルを獲ったプラスアルファとして輝くものだ。チャンピオンシップに出られなかったが、クラブ史上最多勝点を更新したからいいじゃないかと、そこで満足していたらチームとしての発展は望めない。
 
 今季のナビスコカップ決勝、小笠原は試合前に「ここで勝つのと負けるのとでは違う」と選手たちに言ったそうだ。その効果もあって、あの日の鹿島はG大阪を圧倒した。記者席から観ていても、鹿島の強さはビンビンに伝わってきた。タイトルを獲るチームとはこういうクラブなのだと、素直に感心した。
 
 J1リーグが残り5試合の段階で、FC東京のベテラン・羽生は「ここからFC東京の歴史が変わる戦いが始まる」と静かに言っていた。確かに、今季のFC東京の真価が問われる5試合であった。
 
 小笠原の言葉を拝借すれば「ここで勝つのと負けるのとでは違う」シチュエーションで、FC東京は2勝1分け2敗と不安定な戦いに終始した。手堅さが売りのチームが、最後の最後で崩れたのだ。勝負どころで結果を出せなかったFC東京は、やはり勝負弱い。
 
 ただ、希望はある。チャンピオンシップへの道が断たれた直後にホーム最終戦セレモニーをやるという“地獄のシチュエーション”で、森重は涙ぐんでいた。森重に限らず、他の選手も悲痛な表情をしていた。
 
 本来なら鳥栖を破って、チャンピオンシップ制覇への意気込みを語るはずだったセレモニーがまさかの残念会になったのだから、選手にとってはたまったものではない。その場から逃げたくなったとしても、決して不思議はない。
 
 この拷問のような経験が、選手を、チームを、強くする可能性は十分ある。かつて磐田で活躍したある選手はこう言っていた。
 
「2001年のチャンピオンシップで鹿島に敗れて、本当に悔しかった(当時の磐田は第1ステージの覇者としてチャンピオンシップに出場)。だから、2002年は完全優勝しかないと。その悔しさは完全優勝でしか消せないという想いでシーズンに臨んだ」
 
 2002年、磐田は完全優勝した。悔しさを味わった翌シーズンに幸せは待っていたのだ。
 
 来季のJ1は、ある意味、FC東京にとって覚悟が問われる戦いになる。
 
取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
 
 
 
 
 
 
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