• トップ
  • ニュース一覧
  • 【編集長の視点】世界最高峰のプレミアリーグでプレーする吉田がなぜ? カンボジア戦の“あの場面”で彼は必死に戦っていたのか

【編集長の視点】世界最高峰のプレミアリーグでプレーする吉田がなぜ? カンボジア戦の“あの場面”で彼は必死に戦っていたのか

カテゴリ:日本代表

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2015年11月19日

なにより気になったのは、怠慢に映った吉田の守備。

ハリルホジッチ監督の浮かない表情からは、カンボジア戦での日本の体たらくが分かる。ここからチームをどう作っていくかは見物だ。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

画像を見る

 アジア2次予選でやきもきさせる試合が多い理由は、もしかしたらアジアで勝ち慣れてしまったところにあるのかもしれない。少なくとも、ワールドカップの本大会初出場を目指し、一つひとつの試合をそれこそ必死になって戦っていた93年当時の日本代表のような熱い魂が、現代表には感じられない。
 
 20年以上前の代表チームを持ち出されてもと、そんな意見もあるだろう。確かに当時の選手たちと比べるのはナンセンスかもしれないが、最近の代表戦を観て素直に面白いと思う方は果たしてどれだけいるのか。戦ううえでの根本的なファクター──闘志、ガムシャラさといったものが、現代表には抜け落ちているように見える。
 
 今回のカンボジア戦でなにより気になったのは、防げるはずなのに、なぜかいとも簡単に決定機を許した吉田の怠慢な守備だ。
 
 普段は世界最高峰のイングランド・プレミアリーグで戦っている実力派のCBが、いわば無名のアタッカーにぶっちぎられ、シュートまで持ち込まれたのである。相手のシュートミスに助けられて大惨事には至らなかったとはいえ、最後の中途半端な寄せはいただけなかった。
 
 エリア内だったから、あそこで激しくチャージすればPKを取られるリスクはあったが、それでもあのディフェンスは杜撰に映った。闘志という部分でも、日本に一泡吹かせてやろうとガムシャラにボールを運んでGKの西川をもヒヤリとさせたカンボジアの9番・ラボラビーに、吉田は劣っていた。
 
 あのような守備が今後も見られるようなら、日本はいずれ痛い目に遭うだろう。もちろん、現在進行しているアジア2次予選はここまでくれば間違いなく突破できる。問題は、アジアの曲者が集結する最終予選だ。
 
 その最終予選を見据えたイランとのテストマッチで、日本が大苦戦したのは記憶に新しい。縦へのスピード、球際の強さといったハリルホジッチ監督が求める要素で日本は劣り、結果は1-1の引き分けながらも内容で完敗を喫した。ちなみに、この試合でも吉田は軽い守備から失点につながるPKを与えている。
 
 アグレッシブな守備で日本にスピーディかつテクニカルなサッカーをさせなかったイランのように、最終予選では色んな罠を仕掛けてくる難敵と戦うはずだ。アジアカップの時のように、余裕をかますような戦い方で臨めばUAE戦と同じ轍を踏むはめになるだろう。
 
 つまり、防げるはずの失点で貴重な勝ち星を落とし、ひいてはワールドカップの出場権に手が届かない事態になる可能性も十分にあるということだ。
 
 実際、今年のアジアカップはUAEの狡猾な戦略にまんまとはまりベスト8で敗退。格下揃いのアジア2次予選でも予想以上に多くのピンチを招いているのだから、ロシア・ワールドカップ本大会への道のりは決して甘くないだろう。
 
【関連記事】
【セルジオ越後の天国と地獄】眠気を誘う前半、不可解な2ボランチ、アンフェアな競争、言い訳と勘違い……とにかくひどかったし、柏木がスペシャルだったわけじゃない
【日本代表】岡崎のPK失敗が暗示する組織的なツメの甘さ。主張しなければ、ディテールは詰められない
【日本 対 カンボジア|2-0】サッカーダイジェスト取材記者の採点&寸評/シンガポール戦に続いて柏木が躍動。悪癖を露呈した吉田は守備陣のリーダーとして不合格だ
【藤田俊哉の目】本田不在時のスタイル探しは失敗… 柏木にはヤットの後継者になってほしい!
【日本代表】またも躍動した柏木。しかしその裏でふたつの課題が浮き上がる
金田喜稔がカンボジア戦を斬る! 柏木に救われた日本。ハリルホジッチ監督はアジアの戦いを把握し切れていない
【日本代表/エリア別検証】キャプテンとゲームメーカーの不在は如実に表われていた
【日本代表】再び、決定力を見せつけた本田。背番号4から学ぶべき、メンタルの強み
【カンボジア戦会見】ハリルホジッチ監督がアジアサッカーへ提言。「チームを発展させたいならもっと勇気を持って攻撃するべき」

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 王国の誇りを胸に
    4月10日発売
    サッカー王国復活へ
    清水エスパルス
    3年ぶりのJ1で異彩を放つ
    オレンジ戦士たちの真髄
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 特別企画
    5月1日発売
    プレミアリーグ
    スター★100人物語
    絆、ルーツ、感動秘話など
    百人百通りのドラマがここに!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 完全保存版
    1月17日発売
    第103回全国高校サッカー選手権
    決戦速報号
    前橋育英が7年ぶりの戴冠
    全47試合&活躍選手を詳報!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ