【日本代表/エリア別検証】キャプテンとゲームメーカーの不在は如実に表われていた

カテゴリ:日本代表

増山直樹(サッカーダイジェスト)

2015年11月18日

【ミドルサード】役割分担が曖昧で、ただ頭上を越すボールを眺めていた。

展開力の乏しさを露呈した山口(写真)。遠藤との2ボランチは機能しなかった。 写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 暗いニュースという意味では、CB以上のセクションかもしれない。“救世主”柏木の登場により事態は好転したが、前半の3人の関係にはまるで良いところがなかった。
 
 キャプテンとゲームメーカーの不在は如実に表われていた。引いた相手を崩す場合には、当然ボランチが組み立ての中心になる。しかし、山口と遠藤は5人のDFの隙を突くどころか、その前に位置する4人のMFの網さえ破れなかった。組み立てのリズムが上がらず、苛立った香川がポジションを下げるという悪循環にも陥っている。
 
 リスク管理も不十分だった。ボランチふたりの役割分担が曖昧で、一度ボールを奪われると相手のロングフィードを潰せもせず、かといってCBのフォローにも回れていない。ただ頭上を越すボールを眺めていた印象が強い。
 
 また、香川のトップ下は、残念ながら改善の兆しが見られない。ボランチとの距離感が悪く、周囲とのコンビネーションという生命線を断たれ、思うようにパス交換ができなかった。時折はキレの良い反転を見せるものの、シュートが枠に飛ばないのも見慣れた光景だ。何度も天を仰いだ背番号10は、試合後のミックスゾーンを無言で通り過ぎた。
 
 ハリルホジッチ監督は「いろんな選手をトライし、補完関係のない選手を使ったのは私の責任だ」としたが、チャレンジした指揮官を責めるのはお門違いだろう。むしろ、この失敗で選手起用が凝り固まってしまっては、せっかく生まれつつある競争意識が再び鎮火してしまう恐れがある。
 
 シンガポール戦に引き続き、柏木が違いを生んだのは喜ぶべきこと。しかし、今度は逆に“柏木依存”の色が濃くなってきている。
 
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