快足1トップのウォルコットにマンマークで勝利。
ファーディナンドの後継者と目されてユナイテッドに入団したのが2010年。フルアムから引き抜いたサー・アレックス・ファーガソン元監督と、続くデイビッド・モイーズ前監督は、サイドバックもこなすスモーリングを便利に使い過ぎて成長を停滞させた感がある。
本職注力の方向性に切り替わったのは、昨夏のファン・ハール監督就任以来。新指揮官は、自身初のマンチェスター・ダービーでスモーリングが敗戦に繋がる退場処分を受けても、「愚かな行為だ」と発言してお灸は据えたものの、CB登用は止めなかった。
その甲斐あって、今シーズンのスモーリングは不動の第一CBだ。11月7日のウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン戦(12節/2-0)では、フィジカルを武器に3試合連続ゴールを狙っていたホセ・サロモン・ロンドンを難なく料理。4日前のCSKAモスクワ戦(1-0)では、GKのセーブ後も気を抜かずにライン上でのクリアを披露して、敵の先制を阻止した。
0-3で敗れた8節のアーセナル戦にしても、攻守両面において中盤が機能不全に陥ったのが大きな敗因で、後半のスモーリングは相手の1トップ、セオ・ウォルコットにマンマークで勝利した。
ウォルコットのスピードを恐れずに張り付けるCBは滅多にいない。だからこそアーセナル戦の大敗を含む10月のチーム最優秀選手に、ファン投票でスモーリングが選ばれたのだ。
ユナイテッドのサポーターは、スモーリングを「マイク」と呼ぶ。一度ならず二度までも名前を間違えたファン・ハール監督の揚げ足取りだが、以前なら「監督に名前すら覚えてもらえていない」とファンにからかわれていただろう。だが現在は、愛着と信頼を込めて「マイク」と呼ばれている。
「一生言われそう」と苦笑する当人も、まんざらではないだろう。いよいよ「リオの後継者」という呼び名に相応しい姿を見せはじめたのだから。
文:山中忍
【著者プロフィール】
山中忍/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。
本職注力の方向性に切り替わったのは、昨夏のファン・ハール監督就任以来。新指揮官は、自身初のマンチェスター・ダービーでスモーリングが敗戦に繋がる退場処分を受けても、「愚かな行為だ」と発言してお灸は据えたものの、CB登用は止めなかった。
その甲斐あって、今シーズンのスモーリングは不動の第一CBだ。11月7日のウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン戦(12節/2-0)では、フィジカルを武器に3試合連続ゴールを狙っていたホセ・サロモン・ロンドンを難なく料理。4日前のCSKAモスクワ戦(1-0)では、GKのセーブ後も気を抜かずにライン上でのクリアを披露して、敵の先制を阻止した。
0-3で敗れた8節のアーセナル戦にしても、攻守両面において中盤が機能不全に陥ったのが大きな敗因で、後半のスモーリングは相手の1トップ、セオ・ウォルコットにマンマークで勝利した。
ウォルコットのスピードを恐れずに張り付けるCBは滅多にいない。だからこそアーセナル戦の大敗を含む10月のチーム最優秀選手に、ファン投票でスモーリングが選ばれたのだ。
ユナイテッドのサポーターは、スモーリングを「マイク」と呼ぶ。一度ならず二度までも名前を間違えたファン・ハール監督の揚げ足取りだが、以前なら「監督に名前すら覚えてもらえていない」とファンにからかわれていただろう。だが現在は、愛着と信頼を込めて「マイク」と呼ばれている。
「一生言われそう」と苦笑する当人も、まんざらではないだろう。いよいよ「リオの後継者」という呼び名に相応しい姿を見せはじめたのだから。
文:山中忍
【著者プロフィール】
山中忍/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。