足下のスキルや軽快な身のこなしだけではない。プレーの観察眼も素晴らしい。ボールの位置、選手の動き、誰がボールへ向かい、誰がゴールを意識し、誰が動きなおそうとしているのかを瞬時に把握してみせる。
相手チームからすればムシアラは間違いなく要注意選手。可能な限りいつでも厳しいマークで自由にプレーをさせないように気を払っている。なのに、気がつくといつもフリーで、パスを受けられる状況にいるのだ。
相手マークの視線がボールや周囲の様子を確認しようと他に向いた瞬間を逃さない。選手はだれでもどこかでボールの位置を確認しながらプレーしなければならない。他の選手の立ち位置をチェックしながらポジショニングを修正しなければならない。
マークしている選手からしたら、本当に消えたように感じてしまう
ムシアラはそうやって相手の視線が自分に向いていない瞬間を利用しながらスッと動きなおすので、マークしている選手からしたら、本当に消えたように感じてしまう。またその動き出すタイミングやコース取りが抜群にうまい。
バイエルン、そしてドイツ代表でキャプテンを務めるマヌエル・ノイアーもムシアラに対する評価や振る舞いは、もはや若手選手のそれではない。完全に主軸の一人として扱っている。シャルケ戦後にドイツ人記者にムシアラのパフォーマンスについて尋ねられると次のように答えていた。
「至宝とか、ダイヤの原石とかいろいろ言われているけど、僕らにとって黄金の価値を持つ選手だよ。バイエルンでも、代表でもだ。試合で違いを生み出せる、チーム浮沈のカギを握る選手だ」
ここまで褒めたたえられると勘違いして、調子に乗って、プレーがブレたり、パフォーマンスレベルを落としてしまう例が世界にはたくさんあるが、ムシアラに関してはなさそうだ。
ナーゲルスマンは「彼は謙虚な若者だし、おごり高ぶったりしない。彼にとって大事なのは自分のプレーパフォーマンスをどのように成長させられるかだけなんだ。回りの声にもしっかりと耳を傾ける」とその人間性と心構えに太鼓判を押していた。
ドイツが誇るサッカー小僧ムシアラが、いよいよ世界の舞台でデビューする。
文●中野吉之伴
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