【指揮官コラム】特別編 三浦泰年の『情熱地泰』|理想の「勝利」とはなにか?

カテゴリ:特集

サッカーダイジェスト編集部

2015年10月15日

試合に勝つことだけが「勝利」ではなく、売上げが上がることだけが「勝利」ではない。

大きな勝利を得るなら、そこには必ずリスクが存在する。目の前の勝利にだけこだわっていては、本当の「勝利」は得られない。

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 ビジネスの世界でもスポーツと同じようなメンタルが必要のようだ。某日、ある講演会に福岡から来た友人と出席した。そこで『企業がリスクを冒す』ことも必要だというのだ。
 
 ただ取るべきリスクを冒すのであり、バブル時に多かった『取るべきではない』リスクは冒すべきではないという。そして、そのなかに『収益のみではない』という言葉もあった。
 
 ある時代の国際化を進めるプロジェクトにはリスクがあったという話だが、そこにはリスクがあり、収益のみでは進められなかったというのだ。数年後には収益もプラスとなり、今では世界で販売されているという。(某大企業会長のお話)
 
 試合に勝利することのみが「勝利」ではなく、売上げが上がることだけが「勝利」ではない。ただ人を認めさせる。人をこちらに向かせる。その手段として「勝利」が絶対に必要になる。
 
 赤字がずっと続けば、何試合も勝ち星がなければ、企業であれば倒産し、監督であれば解任だ。だから勝利は重要で、必要な絶対条件なのだ。だからこそ目的である勝利が手段となり得れば、人の心を掴み、人に喜びと幸せを与えられる。
 
 王貞治さんが700本を前にスランプになり1週間近く、ホームランが打てなかった時に合気道家の藤平光一氏(一本足打法を作った人)に電話をしたらしい。
 
 その時、王さんが言われたのは「氣が出ていない」ということ。そしてアドバイスとしてこんなことを言われたという。「貴方は700本で悩む人ではない800本目を打たなければならない」
 100本ではなく、101本打つことを考えるべきだということだ。
 
 翌日、王さんはホームランを打ち、そこから記録的なハイペースでホームランを打っていったという。目先の売上、目先の勝利、結果のことだけを考えるのではなく、小さな勝利と大勝利を作っていくイメージ。
 
 僕がいま住んでいる東京だけでも、そんなことを考えている人がたくさんいて、そうやっていろんな競争が起きているのだと感じる。いまこの時代に、ここでどう闘うべきか――。しっかり考え、次のステップを踏み出したい。
 
2015年10月14日
三浦泰年
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