ブラジル国内では、「これまでで最も厳しい予選となる」と言われており、「史上初の敗退もありうる」と懸念する声もある。
 
　ドゥンガはワールドカップで崩壊した守備を立て直し、ネイマールの個の力を生かしつつこのエースに依存しない攻撃を構築しながら、「ワールドカップで喪失した“サッカー王国の威信”を取り戻す」という困難なミッションに挑む。ロシア行きの切符を取るだけでは不十分であり、首位突破しなければ国民は納得しないだろう。
 
　ただ、現在の南米のヒエラルキーは、トップがアルゼンチンで、第２グループがチリとコロンビア、第３グループがウルグアイ、パラグアイ、ペルー、エクアドルという構図。当面のブラジルは、第２グループだろうが、仮に序盤戦で躓けば、第３グループに吸収されかねない。
 
　その意味では、今年10～11月の序盤４試合の内容と結果が極めて重要だ。10月の２試合でネイマールを欠くのはたしかに痛いが、もしネイマール抜きで攻撃が機能すれば、逆に大きな収穫となる。
 
　３節のアルゼンチンとのアウェーゲームは今予選で最も困難な試合で、続くホームでのペルー戦も簡単ではない。現時点では、成功と失敗、どちらに転んでもまったく不思議ではない。
 
文：沢田啓明
 
 
【ロシアＷ杯南米予選】ついにスタート！押さえておきたい「５つのチェックポイント」

 
【ブラジル代表／10月の招集メンバー】
GK              
ジェフェルソン（ボタフォゴ）
マルセロ・グローエ（グレミオ）
アリソン（インテルナシオナウ）
 
DF
ダビド・ルイス（パリSG＝FRA）
マルキーニョス（パリSG＝FRA）
ファビーニョ（モナコ＝FRA）
マルセロ（Ｒ・マドリー＝SPA）
フィリペ・ルイス（Ａ・マドリー＝SPA)
ダニエウ・アウベス（バルセロナ＝SPA）
ミランダ（インテル＝ITA）
ジウ（コリンチャンス）
 
MF
エリアス（コリンチャンス）
レナト・アウグスト（コリンチャンス）
ルーカス・リマ（サントス）
ドグラス・コスタ（バイエルン＝GER）
ルイス・グスタボ（ヴォルフスブルク＝GER）
フェルナンジーニョ（マンチェスター・C＝ENG）
ウィリアン（チェルシー＝ENG）
オスカール（チェルシー＝ENG）
ルーカス（パリSG＝FRA）
カカ（オーランド・シティ＝MLS）
 
FW
フッキ（ゼニト＝RUS）
リカルド・オリベイラ（サントス）
 
▼招集辞退
ラフィーニャ（バイエルン＝GER）
フィリッペ・コウチーニョ（リバプール＝ENG）
ロベルト・フィルミーノ（リバプール＝ENG）