あの瞬間は、ボールがゆっくりと見えた
攻撃面での貢献度も高い上福元は、東京ヴェルディ時代の2018年J1昇格プレーオフ2回戦・横浜FC戦で決勝点につながるプレーを披露している。スコアレスで迎えた試合終了間際の90+6分、CKに合わせてヘディングシュートを放ち、相手GKが弾いたところを味方がつめて得点。その場面を、上福元に振り返ってもらった。
――◆――◆――
東京Vはリーグ戦6位でJ1昇格プレーオフに臨んでいたので、レギュレーションによって引き分けならば敗退する。常に勝たなければならない状況でした。通常のリーグ戦では0-0での攻撃参加はありませんが、得点しなければならない状況でした。一応、その状況を想定してGKはクロスを上げてもらってのヘディング練習で、準備していました。
あの試合はアディショナルタイムが7分と長く、90分過ぎの最初のCKで上がりたいという意思は、(ミゲル・アンヘル・)ロティーナ監督(当時)に止められました。行きたくても、監督の指示は受け入れるしかありません。冷静に考えれば、残り時間が長かったのでリスクがあると納得していました。ロティ―ナは、堅実に判断するタイプの監督ですし。
次のCKのチャンスが来た時に、再度、前に行きたい意思表示をすると、OKが出ました。練習していましたし、「攻撃参加できる!」と気持ちが高ぶりました。
相手ゴール前に上がっていく最中に、「ニアにボールが上がって、混戦で“ごちゃごちゃ”となって、ボールがファーにこぼれてこないかな」とパッと思い浮かびました。それで、最初はファーに構えていました。でも、「ちょっと待って。ニアで“ごちゃごちゃ”ってことは、まずニアにボールが来るってことじゃん」と思い直して。
それで、アクションを変え、真ん中に構えました。CKの時に、182センチの自分は身長が高いといっても、相手はGKに対してヘディングが得意な選手をマークしてきません。あの時も、自分には身長が低いほうの選手がついていました。
何とかマークを振り切って、ニアに突っ込んでいったら何か起きないかなと思っていました。相手がゾーンでディフェンスしていたのですが、味方が走り込み、目の前にスペースができました。そこに、CKのボールが見事に飛んできて。あの瞬間は、ボールがゆっくりと見える感覚がありました。
気づいたらヘディングシュートしていました。相手GKにしっかり止められたのですが。「やばい!」とGKの本能的に、すぐにゴール前に戻ろうと思っていたら、味方がつめて得点になっていました。
あとで映像を確認すると、僕はめちゃくちゃ喜んでいるのですが、「あれ?入っている」というような、不思議な感覚でした。1年に1回だけのプレーでしたので、ボールに触れるとは、思ってもみなかったです。
自分の感覚を信じて良かったです。ゴール前に上がる意思表示をしなければ、あのプレーは無かった。アクションを起こして良かったと思っています。
【関連動画】上福元が東京V時代に見せたヘディングシュートをチェック
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東京Vはリーグ戦6位でJ1昇格プレーオフに臨んでいたので、レギュレーションによって引き分けならば敗退する。常に勝たなければならない状況でした。通常のリーグ戦では0-0での攻撃参加はありませんが、得点しなければならない状況でした。一応、その状況を想定してGKはクロスを上げてもらってのヘディング練習で、準備していました。
あの試合はアディショナルタイムが7分と長く、90分過ぎの最初のCKで上がりたいという意思は、(ミゲル・アンヘル・)ロティーナ監督(当時)に止められました。行きたくても、監督の指示は受け入れるしかありません。冷静に考えれば、残り時間が長かったのでリスクがあると納得していました。ロティ―ナは、堅実に判断するタイプの監督ですし。
次のCKのチャンスが来た時に、再度、前に行きたい意思表示をすると、OKが出ました。練習していましたし、「攻撃参加できる!」と気持ちが高ぶりました。
相手ゴール前に上がっていく最中に、「ニアにボールが上がって、混戦で“ごちゃごちゃ”となって、ボールがファーにこぼれてこないかな」とパッと思い浮かびました。それで、最初はファーに構えていました。でも、「ちょっと待って。ニアで“ごちゃごちゃ”ってことは、まずニアにボールが来るってことじゃん」と思い直して。
それで、アクションを変え、真ん中に構えました。CKの時に、182センチの自分は身長が高いといっても、相手はGKに対してヘディングが得意な選手をマークしてきません。あの時も、自分には身長が低いほうの選手がついていました。
何とかマークを振り切って、ニアに突っ込んでいったら何か起きないかなと思っていました。相手がゾーンでディフェンスしていたのですが、味方が走り込み、目の前にスペースができました。そこに、CKのボールが見事に飛んできて。あの瞬間は、ボールがゆっくりと見える感覚がありました。
気づいたらヘディングシュートしていました。相手GKにしっかり止められたのですが。「やばい!」とGKの本能的に、すぐにゴール前に戻ろうと思っていたら、味方がつめて得点になっていました。
あとで映像を確認すると、僕はめちゃくちゃ喜んでいるのですが、「あれ?入っている」というような、不思議な感覚でした。1年に1回だけのプレーでしたので、ボールに触れるとは、思ってもみなかったです。
自分の感覚を信じて良かったです。ゴール前に上がる意思表示をしなければ、あのプレーは無かった。アクションを起こして良かったと思っています。
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